3話 余興
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そすぐに解った。少女は並の者とはどこか違う。それが三銃士たる所以なのだろう。そう思った。
「うう、流石のあたしもそう見つめられたら、照れちゃうな」
「これは失礼。見慣れない方だったため、つい眺めてしまいました」
「おう、なんだ、ユイン。パティが好みなのか?」
流石に此方の視線には気付いているのか、そう言った。恥ずかしいと言いつつも、特に照れている様子はも無い。将軍と言うのは見られるのが普通なので、じろじろ見られたとしても特に何もないのだろうが、とりあえずは口にしたと言う事だろうか。
「またまた、ご冗談を。私如きが、王と対等に話す程の方にそのような気持ちを抱くなど、恐れ多い事です」
「あれ、何だろう。褒められているはずなのに、まったくそんな気がしない。……はっ、そうか、ギュランドロス様と同レベルだって言われてるからか!」
「と言うか、いきなり卑屈になるな、ユイン。似合わんぞ。そしてパティ、ちょっとどういう意味か小一時間程問い詰めてやろう」
俺の言葉に、少女はどこか釈然としないように考え、やがて意図していた結論に辿り着たのか手をぽんっと叩きそう口にした。自分がギュランドロス二号だと言われれば、流石に思うところがあるのだろう。人間として型破りな主である。それと同格と言われるのはいろんな意味で複雑なのだろう。
「っと、そういえば紹介が遅れたなこいつは」
「三銃士が一角、パティルナ・シンク様でしょう?」
「ええっ、何でわかったの?」
「そうだ、なんで解った!?」
「いや、結構推測できる要素がありましたので」
王の言葉に、状況から推測した事を述べる。尤も、このような事は三銃士の知名度を考えれば誰でもわかりそうな事なので驚くほどの事では無い。……と思っていたのだが、何やら二人して悔しそうに驚いている。自分を驚かせようとでもしたのだろうか? 二人の様子から、そんな事を思った。……、普通にやりそうである。
「それで王よ、三銃士を伴ってまで、私に何か御用ですか?」
「いや、特に要は無いぞ」
「……む?」
どうせこの主の事である、何かあるのだろうと予測し尋ねてみる。が、違った。特に来た理由は無い、と笑いながら告げられた。
正直、意表を突かれた。言うならば、思考の隙を突かれたように、数舜固まっていた。
「はっは。なぁ、ユイン。用がなけりゃ、配下の様子を見に着ちゃいけないのか?」
「そのような事はありません」
「だろう? なら、良いじゃねぇか。楽しく行こうぜ、おい」
「うんうん。楽しいのは良い事だよ、ユイン。まぁ、ギュランドロス様の場合は、自分がまず楽しくないとだめだけどね」
「おい、パティ。なんとなく貶されているように思うのは、気のせいか?」
「にひひ、きのせーだよ」
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