3部分:第三章
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ようにして足を出して飛び込み次には腰の剣を抜いた。そうしてその手の剣を構えつつ叫んだ言葉であった。
「奸賊何処だ、観念しろ!」
「またあの人は」
塔の外にまで聞こえてくる主の声を聞いて嘆息するジャンだった。
「派手なことを」
「私が来たからにはもう逃げられはしないぞ!」
だがそれでもダルタニャンの声は聞こえてくる。
「神妙にしろ!国王陛下の御命令だ!」
「国王!?」
ここで不意にその王という言葉を嘲る声が聞こえてきた。
「笑止。ブルボンの王なぞわらわの知ったことではない」
「やはり賊か」
女の声だった。声自体は艶のあるものである。だがそこに含まれているものは淫靡さと陰湿さであった。何処かしら邪悪なものを多分に含んだ声であった。
「ブルボン王家を否定するとは。貴様やはり」
「本来ならばだ」
また声が聞こえてきた。
「わらわの血脈がフランス王になる筈だったのだ」
「戯言を」
ダルタニャンはその声の言葉を否定する。ブルボン王家に対して無二の忠誠を誓う彼にとってはこれ当然のことであった。
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