(改訂版) 93章 信也と美結と利奈たち、太宰治とかを語る
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おれは理解できないところだけど、
太宰治は、ひと言でいえば、小説という芸術で、
真実やその美しさを表現しようとした人なんだろうね。
そんな太宰の小説は優れていると思うし、その日本語力も相当すごくて、勉強にもなるよね。
今なんか、インターネットの青空文庫とかで、太宰の作品は、いくらでも読めるしね」
「高橋源一郎さんも、あのEテレのの最終回で、
<太宰治は、古文や漢文とか、あらゆるタイプの日本語を使って、あらゆる書き方をしていて、
あの日本語力はすごいね!>って言ってたわ。ね、利奈ちゃん」
「うん。だから、又吉さんとかに、いまも、みんなに読まれて、太宰は人気もあるのね」
「おれも、太宰の小説を、インターネットの青空文庫や
太宰ミュージアムで見たりするんだけど。今は、無料で読めるからね。
太宰って、モーツァルトの音楽が好きだったらしいんだ。
<軽くて、清潔な詩、たとえば、モーツァルトの音楽みたいに、
軽快で、そうして気高く、澄んでいる芸術を、僕たちは、いま求めているんです。>とか
言っていたらしいんだ。それを知って、なんか、心安らぐんだよね。
太宰治にも、そんな気持ちがあったことを知って、おれの心も安らかになるんですよ」
「そうなんだ、しんちゃんの気持ちわかるわ!太宰って、破壊的だったり、退廃的だったり、
破滅的だたりで、絶望的なイメージが、わたしにはあるんだけど、
モーツァルトが好きだったなんて聞くと、太宰にも、前向きな、明るいイメージがわいてきて、
なんとなく、わたしも嬉しくなっちゃうわ!」
そう言って、美結が信也に、優しく微笑む。
「わかる、わかる。モーツァルトはいいもんね!子どものように天真爛漫で。
しんちゃん、美結ちゃん」
利奈も、信也と美結を見て、明るく微笑んだ。
「そうなんだよね。モーツァルトは、どんなつらいことがあっても、子どものような純真さで、
元気に明るく生きていた気がするんだよね。大好きな音楽を作りながら。
それも、独創的で、聴く人、みんなに、元気をくれるような、美しい音楽を。
そんな生き方が、ロック的だと思うし、おれは尊敬してしまうんですよ。あっはは」
信也は、そういって笑った。
≪つづく≫ --- 93章おわり ---
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