(改訂版) 93章 信也と美結と利奈たち、太宰治とかを語る
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て、信也にそう言った。
「ただね、わたしは、しんちゃんの夢の、宇宙人との戦闘状態のようなのが、
ちょっと気になるんだけど。苦労が始まる兆しとか、何かのトラブルに巻き込まるとかね!」
心配そうな表情で、そう言うのは、利奈のとなりに座った美結である。
「あ、そのバトルなら、おれたちのほうが断然に勝っていたんだよ。
おれなんか、余裕で、女の子の仲間と、いちゃついていたくらいだから。
それが、知っている女の子のような、ぜんぜん知らない子のような、
でも可愛い子たちで。美結ちゃん、、利奈ちゃん。あっははは」
「まあ!しんちゃんたら!でも、楽しい夢でよかったわね!わたしも楽しい夢なら、見るの大好きよ!」
そう言いながら、テーブルの向かいの信也に、美結はなぜか恥ずかしそうに笑う。
「やっぱり、兄妹ね!わたしも、夢見るの大好き!楽しいんだもん!
そうそう、しんちゃんが見たいって言っていたビデオを撮っておいたよ」
利奈は、信也にそう言いながら、カフェオレ(ミルク入りコーヒー)を飲む。
「あ、そう。ありがとう。あの番組って、最終回で、
又吉直樹さんがゲストに出てるっていってたからね」
その番組とは、NHK・Eテレの
『100分で名著・太宰治・斜陽』のことであった。
「うん。又吉さんが出ていたわよ。太宰治って、わたし、あまり興味ないというか、
よくわからないんだけど、『女生徒』は読んだんだ。よくこんなに女の子の気持ちがわかるな!
って感心しちゃった。ぁっはは。
『人間失格』という本は、友だちに薦められたんけど、内容が暗すぎて、
ついてゆけなくって、途中で読むの止めちゃったの!」
「あっはは、利奈ちゃん。『人間失格』という小説は、利奈にも、難しいと思うよ。
又吉さんは、太宰治押しで、『人間失格』は100回くらい読んだっていうけどね。
又吉さんは、ユーチューブの動画で、『人間失格』は、
<人間がそれぞれに持っている痛みについて書かれているんではないかと、
何回も読んでいると、そういう別のテーマが浮かび上がってくるというか、わかってくる>
って言っていたけど、まあ、そのとおりなんだろうね。
太宰治って、確か、1909年生まれの、38歳の生涯で、
その青春は、太平洋戦争とかで、ひどい社会情勢の中にあったからね。
人間が人間らしい扱いをされていなかったんだから。
女性の地位なんて、想像できないくらい低かったしね。
だから、心の優しい、感受性豊かな人たちとかって、とても生きづらいし、苦しかったと思うよ。
心中とか自殺とかは、
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