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《sword art online》 ~クリスタルソウル~
暗雲
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はそれを充分知った上で、殺人を楽しんでいる。胸糞悪いという以前に、ぞっとする話だ。
イヴも全くの同感であるらしく、その表情は険しい。
「奴らのアジトが分かったらしいの」
「なんだって!?」
思わず僕は身を乗り出した。以前から調査されていたラフィンコフィンのアジト。それは余程巧妙に隠されているらしく、今の今まで手がかりすら掴めていない有様だった。奴らの暴挙を防げなかったのも、その居所が分からなかったという理由が大きい。
「近々、私たちはそこに襲撃をかける。ラフィンコフィンのメンバーを全員捕縛するためにね」
僕は頷いた。厳しい戦いになるだろうが、得るものは大きい。ここで奴らを一網打尽にすればPKの被害を防ぐことができる。これはプレイヤーを直接守ることにも繋がるのだ。そういう意味では、攻略よりも重要な任務だと言えた。
「よし、そうと来れば準備しとかなきゃ。大掛かりな戦闘になるからね、きっと攻略組も総動員だろうし・・・・・・」
「いいえ」
冷えたイヴの声に、僕の動きが止まる。いきなり戦場に放り込まれたかのような緊張感が、穏やかな食卓に舞い降りた。
テーブル上に置いた拳をぎゅっと握りしめたイヴは、まるで絞り出すように真実を告げる。
「討伐隊は二六名・・・・・・『血盟騎士団』と『風林火山』の合同チーム」
僕は唖然とした。それだけじゃレイドパーティーも組めやしない。
「そんな、少なすぎる・・・・・・なんで・・・・・・・」
「詳しいことは分からないけど、どうやら情報がラフィンコフィンにもれているらしいの。内通者のせいでね。犯人を炙り出そうにも、攻略組は規模がでかすぎて収拾がつかないし、ギルド同士でいがみ合うから余計話がややこしくなる。のんびりしている時間もない。・・・・・・だからこの作戦は、ヒースクリフの独断。信用できるギルドとプレイヤーだけで実行する、少数での奇襲」
「無茶だ! 相手は殺人ギルドだよ? 対人戦は僕たちよりずっと慣れてるし、人数だって四十人はいるはずだ!」
いくら攻略組のレベルが高水準だからといって甘く見てはいけない。数という力は、時としてその優位を容易く覆す。ましてや相手は殺人ギルド。僕らの得意分野がボス戦だとしたら、奴らのそれは人殺しだ。危険がある以上、僕たちは最高の作戦を、最大戦力で実行しなければならなかった。こんなギリギリの作戦は容認できない。成功しても失敗しても、きっと誰かが死ぬ。
「正面からぶつかったら危険。それはヒースクリフも承知してる。だからこんな搦め手を使おうとしているんでしょうね」
「え?」
「囮よ」
寒々とした空気の中、イヴは淡々と、冷静に言った。しかし、その表情は困ったように揺れている。僕は嫌な予感が
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