第33話 翡翠の守護者、過去を語る
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さんがいおう》と呼ばれた最高幹部の一人であり、“轟く海王”。またの名を“海竜王”と呼ばれている男だ。
現在はその先代の後を継いで三代目となっている
そんな彼は己の仕事に没頭している時に、部屋の扉から部下が来る気配に気づいていたが顔を上げずに部下が来るのを待っていた
「総大将!」
「どうした朔夜?」
現れた部下は紫色の長髪を三つ編みにし、蒼い瞳を持った少女だった。歳は海斗より二つ下の15歳だが隊長としての貫禄があった。着ている服は漆黒の忍び装束を着こなし、背中には“九”と刺繍された白い羽織を纏っている。
この少女の名は“平賀朔夜”……鉄龍騎兵団の九番隊隊長を務め、あの伝説のカラクリ造形師…“平賀 源内”を祖に持つ人形遣いの少女。彼女の二つ名は“紫電の木犀”
「ハッ!先ほど海鳴市に探りに放っていた部下たちから報告デス。“海鳴市に不振の影あり”とのこと。市内に侵入した輩は所属不明の“魔術師”の他に、“安倍晴明一派の鬼”、“百物語組の残党”、および“ラフコフ”の者が潜伏しているとのことデス!」
「安倍晴明に百物語組か…やつ等はたしか奴良組に潰された連中だったな。残党というと…今 生存が確認出来てる幹部は確か百物語組は逃亡した山ン本の『耳』の“柳田”だけか…あとは最後まで姿を現さなかった『鼻』くらいだな……鬼つっても、指揮してた鬼童丸に茨木童子はもう居ないし、大した奴はもう残って無いだろ?それと“ラフコフ”ってのは…?」
「はい。3年前に起きた“SAO事件”で最後までP・K……殺人を続けていた犯罪…いえ、殺人ギルド…笑う棺桶の事デス」
「“SAO事件”の犯罪組織か……」
「しかもどうやら、その生き残りの幹部が死銃と名乗ってGGOというゲームでプレイヤーと現実の人間を同時に殺しているようデス」
「『同時に殺している』?どういう事だ?」
「言葉どおりの意味デス…方法はまだ不明デスが、死銃と名乗るプレイヤーに撃たれたGGO上位プレイヤー達が皆、心不全で亡くなっているとの事デス。GGOの目撃者の情報によると上位プレイヤーとして有名だった“ゼクシード”や“うす塩たらこ”も死銃に撃たれた直後、音信不通となり、数日後にはアバターを操作していた現実の人間も遺体となって発見されているのデス…」
「成程…百物語組が好みそうな話だな……死銃に撃たれたプレイヤーは必ず死ぬ、か……朔夜、そのラフコフのメンバーが海鳴市に入り込んでいるのは確かなんだな?」
「はい…まだ
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