第33話 翡翠の守護者、過去を語る
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「ほう…そうか………」
それを聞いた黒いローブを纏った褐色肌の男……ザッハは後方に居た者たちに指示を出した
「ではお前たちは出来るだけ“管理局の魔導師”共や“守護騎士”共との戦闘出来るだけ避け、この街に居る者どもの情報集めに徹底しろ!」
そう告げるザッハの指示に龍弥は困惑の表情になりながら疑問をぶつけた
「よ、よろしいのですか?唯でさえこの世界には“管理局”の他にも“アレ”を狙う多くの裏組織が潜伏している可能性がある上に、“ヤツラ”が海鳴市へ来る可能性が高いのですよ?下手をすれば“アレ”を奪われる可能性も……」
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
龍弥の尤もな言い分をザッハの大笑いで聞き流し、街を見下ろしながら続けた
「そんな事など既に承知している。なに、わざわざコチラから介入せずとも、向こうが勝手に“アレ”を完成させようとしているのだ。時期が来るまでそのまま泳がせていればよい」
「な……っ!」
ザッハの発言に龍弥は戦慄した。
今彼らが狙っている“モノ”は管理局を始め、あらゆる組織が狙い、集結しつつあるのだ。
その組織も決して有象無象ではなく、裏や表の社会でも名を轟かせるほどの勢力……龍弥から見れば軽く見る事は出来ない驚異と見るべき勢力が多いのだ。そんな組織を相手にどう戦うかではなく、逆に利用するなど到底考え着くものではない。
そんな自分の大将の豪胆さに龍弥は驚きを隠せなかった。そしてその感情は“驚き”、“恐怖”そして“憧れ”……他にも様々な感情が龍弥の中で混ざり、感情が昂ぶっているのを感じていた。そして龍弥は片膝を着きながらある確認を取った
「承知致しました。万が一、敵対者に遭遇した場合でも戦闘は避ける……という事で宜しいでしょうか?」
「そうだ。今はまだ、そ奴等と戦闘時期ではない。それは“あ奴等”に任せればよい…」
「成程。“彼ら”ですか………」
所変わって海鳴でも日本でもない何処か……蒼い三日月が浮かぶ夜。その景色を肴にする1人の少年がいた。明るいオレンジ色の髪、右頬に薄い一本線の傷跡を持ち、その鋭い眼差しは普通の少年には年不相応の…………王者のごとき貫禄が滲み出ていた。
その少年の名は……堂本海斗《かいと》……彼こそ当時の組織の大将だった龍帝の義息子であり、組織の最年少幹部として活躍し、解散寸前だった組織……鉄龍騎兵団をまとめ上げ、一大勢力として復活させた男。
鉄龍騎兵団の三代目総大将を襲名する前の海斗は三番隊隊長であり、1から10までいた幹部の中でもトップクラスの3人…|三界王《
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