第33話 翡翠の守護者、過去を語る
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「あ、アルフ!そんなの聞かなくても……」
アルフにとってはただ茶化すだけだったが、彼女の言葉でユーノの表情がさらに暗くなったことに気付かなかった
「このペンダント………姉さんの形見なんだ」
「え………」
それはフェイトの言葉だったのかアルフの言葉だったのかどちらか分らないが、ユーノから予想外の返事に2人は何も言えなくなっていた。それでもユーノは語る。自ら姉と呼ぶ女性の話を…
「いや、正確に言えば…“かもしれない”……なんだけどね」
「…?どういうことだい?」
ユーノの妙な言い回しに首を傾げるアルフ
「2人はもう知ってると思うけど、僕たちスクライア一族っていうのは流浪の一族で一つの世界には決して留まらないんだ。流れ着いた世界で遺跡を見つけては発掘の為にその付近にキャンプを張って、発掘を終えたら再び別の次元世界に流れる……だから、故郷と呼べる土地は無いんだ」
「それじゃ、ユーノの家族は?」
「…両親は僕が赤ん坊の頃に、遺跡の崩落事故に巻き込まれて亡くなったみたいなんだ」
「ご…ごめん! アタシ……!」
「いいんだ。もう過ぎた事だし……」
「「…………」」
あまりにも予想外過ぎる話に加え、ユーノの無理やりな笑顔に2人は何も言えなかった。
するとユーノはポケットの中から少し古ぼけた写真を取り出した。そこに映っていたのは金髪の赤ん坊を優しく抱きしめる金髪の女性と黒髪の小さな女の子を肩車して笑顔を見せる男性だった。
「これって……」
だいたいの予想がつくがそれでもフェイトは口を開いた。その事に予想してたのかユーノは答えた
「僕の家族だよ。皆が写ってる写真はこれしかなかったけど…」
そう言いながらユーノはその写真に写っている家族を紹介した
「見てわかると思うけど、この金髪の赤ん坊が僕。その僕を抱いてる女の人が母さん。隣の男の人が父さんで、父さんの肩に乗っているのが姉さんなんだ……」
「この女の子が……」
「聞いた話じゃ、姉さんは僕が物心がつく前に発掘現場で発生した次元震に巻き込まれて行方不明になったらしいんだ…」
「ユーノ……」
「だから、もう亡くなっている可能性が高いけど、心の何処かで“姉さんは生きている”ってそう思ってるんだ……」
ユーノの寂しそうな笑顔にフェイトは何も言えなかった。自分は知らなかったがアリシアという姉がいて、その姉は母プレシアと共に次元震の彼方へ消えていった。だからこそ、フェイトはそんなユーノに妙な親近感を感じていた。その違和感の正体をフェイトは理解できなかった。
そんな時……
『ユーノ君!フェイトちゃん!アルフ!3人とも居る!?』
戦艦アー
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