4部分:第四章
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極であった。それが言葉にも出る。
「逆さまにされてもまだ復讐を果たすとはな」
「人というものでしょう」
「ううむ」
そのうえで弥三郎の言葉に唸ってきた。
「そうなのかも知れぬな」
「げに恐ろしきはその怨念」
弥三郎は信長に対してそう述べた。
「違うでしょうか」
「確かにな。しかしのう」
それでも信長は言った。
「その女よく恨みを果たした。丁重に弔ってやるがいい」
「はっ」
弥三郎はその言葉に頭を垂れた。こうしてこの話は一件落着となった。
これは本当にあった話である。だがこの話を知る者も信じる者も少ない。しかし女が怨霊となり逆さまになってまでも夫と妾に復讐を果たしたのは話として残っている。実に奇怪であると共に人の業を思わせる話であった。
幽霊と弥三郎 完
2006・12・21
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