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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
第20話
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ね。虎もケバブにはヨーグルトソースが合うって言ってましたから」
「…ふーん、虎も味のわかる男なんだな。けど、敵の事なんか知らない方がいいんだ。早く忘れちまえ」
「えっ?」
「これから命のやり取りをしようって相手の事なんか知ってたってやりにくいだけだぜ?」

 そう言われてキラはまた何やら考え込んでしまった。多分アスランの事を思い出したんだろう。……ムウめ。今回ばかりは余計な事を言ってくれたな。せっかく立ち直らせたのにまた振り出しに戻ったとかやめてくれ……。いや、もういいか。精神的に疲れるし、あまり時間もない。暗い気分のままだとまずいし食べて忘れよう。うん。

「フラガ少佐、ヨーグルトソース使わせてもらうぞ」
「おっ、悠凪もヨーグルト派か」
「いや、実のところケバブは一度も食った事がなくてな。二人共ヨーグルトで食べてるし、だったら試しにこれで食べてみようかと」
「そうか、なら是非使ってくれ。こいつは病みつきになるぞ」

 容器を手渡され、蓋を開けてケバブへヨーグルトソースを掛けていく。食欲をそそられ、思いっきりかぶりつこうとしたその時


 ドガァァァァァアン!!!!

 突然、爆発音が食堂内に響いたのだった。食堂内の面々はこれに動揺し、目の前のキラとムウも何が起こったのかと驚いている。それに対しオレは爆発音に驚きはしたもののこれが何かは検討がついていた。
 ムウは急いで食堂内に設置されている通信装置を起動させブリッジへと連絡をとっている。それからそう経たない内にこちらへ戻ってきたのを見て、キラはその内容を問い質した。

「一体、艦長は何て」
「どうやら明けの砂漠の地雷原があった方角かららしい。虎に存在がバレてたんだろうよ」
「…じゃあ」
「ああ。すぐに出撃準備だ。行くぞお前等!」

 そう言ってムウは食堂を飛び出していき、キラもそれに続いていった。
 ……やっぱり地雷処理されてしまったか。どうやらお祈りは全くもって意味を為さなかったらしい。………しかし、本当に空気を読んでほしいものだ。結局ケバブに一口もありつけないとは。……帰ってきたらまた注文しよう。
 ケバブを名残惜しみつつも、食堂を出て格納庫へと急ぐ。しかし、やっとこの時がきたか。アンドリュー・バルトフェルド、首を洗って待っていろ。必ずお前に勝利して、オレの目的を完遂させてやろうじゃないか。
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