Fate/stay night
1107話
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から」
『アークエネミー、あんた1回令呪を使って私に逆らえないようにして上げようかしら?』
『何だ、うっかり凛ちゃんってのは嫌だったのか?』
『当然でしょう!』
俺と凛のやり取りが原因なんだと理解したのだろう。衛宮とセイバーはお互いに小さく溜息を吐いてから再び腰を下ろす。
「それで、えっと聖杯戦争を仕切ってる人の所に行くんだよな?」
「ええ。衛宮君は魔術師ではあるかもしれないけど、殆ど魔術師としての常識とかを知らないヘッポコだから、その辺もきちんと教えて貰えばいいわ」
「ヘッポコ……」
がくり、とテーブルに肘を突き、落ち込む衛宮。
それをセイバーが励ましているが……うん、多分衛宮って凛に対して好き……とまではいかなくても、憧れの感情は抱いていたんだろうな。
実際、猫を被っている凛は学校のアイドル的な存在な訳だし。
「とにかく、衛宮君。今はあいつのところに行くから、外に出る準備をして頂戴。……セイバーは……さすがにこの格好だと目立つわね」
「む、そうは言っても貴方達とはまだ休戦状態なだけで、手を組んでいる訳ではありません。それに、先程のやり取りを見る限りではアークエネミーの主な攻撃手段は素手。つまり、何も持っていない今の状態こそが臨戦態勢であるとも言えます。そんなアークエネミーが近くにいるというのに、武装を解除出来る筈がありません」
セイバーの言葉は間違ってはいない。寧ろ正しいとすら言えるだろう。
実際、俺がその気になればここから瞬時に衛宮の側に移動して首の骨を折って始末出来るのだから。
……まぁ、出来るのとやるのとでは全く意味が異なるけど。
「けど、セイバー。遠坂の言ってる人物に会いに行くには、どうしても目立つんだよそれ」
「……ですが、こちらとしても手を抜けません」
「うーん、何かセイバーの服装を隠すような事が出来ればいいんだけど……」
衛宮、セイバー、凛がそれぞれ話していると、不意に衛宮が何かを思いついたかのように手を叩く。
「うん、そうだよ。遠坂の言う通りだ! セイバーの鎧姿が見えなければいいんだよな! ちょっと待っててくれ!」
「……何でしょう、微妙に嫌な予感がします」
部屋の奥へと向かって行く衛宮を見ながら、セイバーがそう呟くのだった。
俺、凛、衛宮、セイバーの4人は纏まって外に出る。
向かう先は、凛と俺の保護者という扱いになっている人物のいる場所。
そんな夜の空気の中を歩いていると、不意に救急車の音が聞こえてくる。
「遠坂、あれって……」
「多分ガス漏れ事件でしょうね」
そう呟く凛の口調は、一見すると何でもないように見えるが、どこか悔しげな色がある。
その理由を俺は知っている。
凛曰く、ガス漏れ
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