三十六話:デートと日常
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ら……答えに気づいたか」
「どゆこと?」
「と、頼んでいたパフェが来たぞ」
「あ、ホンマや」
パフェの登場にそれまでの訝しげな表情からコロリと嬉しげな表情に変える。
そんな姿に単純な奴だと思うのと同時に愛おしさを感じる。
ふむ……どうやら俺も大分ダメな男らしいな。
「リヒターは抹茶?」
「ああ、お前はチョコレートか。丁度いい後で食べさせ合おう」
「ええよ〜」
幸せそうな表情でパフェを頬張るジークは俺の言葉の真意に気づかない。
まあ、気づいたとしても止める気など毛頭ないが。
「ほら、あーん」
「ふぇ?」
「だから、あーんしろ」
「い、いきなり何言っとるん!?」
いい感じに混乱して顔を真っ赤にするジーク。
これだけでもここに来た価値があるというものだ。
だからといって、ここで止めてやらないがな。
「食べさせ合おうってさっき言ったはずだが? ほら」
「ん〜ッ!」
「どうだ、美味いか?」
「……おいひいでしゅ」
無理やり口に突っ込んでやると真っ赤な状態でモゴモゴと口を動かしながら答える。
噛みまくってちゃんとした言葉になっていないのはご愛嬌だろう。
「そうか、それは良かった。それじゃあ今度は俺に食べさせてくれ」
「……へ?」
一瞬ポカンと口を開けて何を言っているか分からないという表情をするジーク。
しかし、次の瞬間にはボンッと頭から煙をだして爆発する。
これは少し刺激が強すぎたか?
「えーと……私がリヒターに食べさせてあげるってこと?」
「All right」
「あ、あうぅ……どないすればええんや、私」
「Hurry up!!」
「というかさっきから何でデバイス口調なん!?」
「何となくだ」
頭を抱えて考え込むジークをただ見るだけではつまらないのでデバイス口調で喋ってみたがあまり受けなかった。
今度は古代ベルカのデバイス口調でいってみるべきか……。
そんな事を考えていると覚悟を決めたのかジークが恐る恐るスプーンを俺の口元に持ってくる。
プルプルと震えながら頬を染める姿が可愛い。
「あ、あ〜ん」
「いや、別にそこまでは頼んでいないんだがな」
「え、ええから食べーや!」
真顔でからかってやると流石に怒ったのか真っ赤な顔で俺の口にスプーンを突っ込んでくる。
こっちも普通に美味いな。
だが、普通に感想を言ってもつまらない。
「どうや、美味しい?」
「ああ、ジークの味がする」
「んなぁっ!?」
「いや、間接キスだし」
どうやら効果は抜群のようだ。
目を渦巻にして混乱の極みに達したジークの再起動はもう少しかかりそうだ
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