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異人
1部分:第一章
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か。またか」
「しかし校長、今回も本当にいるようです」
 教頭先生はあえて本当にいると言った。
「どうやら」
「そうか。今度もか」
 校長先生もそれを受けて本当にいると応えた。
「困ったな、実際にいるとなると」
「はい、子供達に被害が出ます」
「どちらにしてもあれだよ」
 校長先生は困った顔のままで述べる。
「子供達が怖がっている。何とかできないか」
「一応警察の方から集団登下校を勧められています」
「それだな、後は親御さんの協力か」
「はい。塾や習い物の往き帰りには付き添いで」
「うむ。まずはそう対策をして」
 口避け女の時のことを思い出していた。その時の対策を踏襲していた。
「それで行くか」
「しかし、話が大きくなっています」
 教頭先生はまた言う。
「一人だったのが三人になったりしていますし」
「最近では鎌ではなく巨大な斧を持っているそうだな」
「それで子供達を真っ二つにするそうです」
 話がさらうのから殺すといったものにもなっていた。何故か尾ひれがついてきているのだ。
「真っ二つか」
「それを聞いて子供達もさらに脅えて」
「困った話だ、全く」
 校長先生はそれを聞いてまた苦い顔になった。
「噂を消すことなぞできんしな。どうしたものか」
「その異人に弱点はあるのでしょうか」
 教頭先生はふとそれを言ってきた。
「どうなのでしょうか、そこは」
「さてな」
 校長先生は少し首を捻ってからまた答えた。

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