第1話「はじまり」
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「....38,5度...か。」
取り出した体温計を見つめながらそう呟く。
「あー、学校休むか...。」
さすがに風邪の状態で学校に行くのはダメだろうな...。
「電話電話...。」
家の電話を取り、学校の番号をプッシュする。
ルルルルル...
【はい、こちら巡ヶ丘学院です。】
「すいません、3年B組の工藤遼です。熱が出たので今日は休みます...。」
【わかりました。お大事に。】
そう言って電話を切る。...これで一安心だな...。
「あー...こんな事知られたらまーた親父にどやされる...。」
俺の親父は元軍人だ。今は傭兵をやってるらしい。
そのせいかは知らないが、自分が死んでも生きて行けるように親父は俺と母さんに戦う術を叩き込んでくる。おかげで俺も母さんもそこらの不良集団には無傷で勝てるようになってしまった。
「“風邪如きにやられるとはたるんでるぞ!”とか言われるな、絶対。」
幸い、今は父さんは傭兵の依頼で遠くに行ってるし、母さんは鞣河小学校の先生として早くから家を出ている。だからどやされることはない。
「とりあえず朝飯食っとかないと...。」
腹が減ってるし、何か食べておかないとと思い、リビングへ向かう。
「...鍛えていた恩恵がここで出るとはな...。」
熱を出していてもある程度意識をはっきり保つことができるため、普段の状態とそこまで変わらない調子で動ける。
「なんかニュースやってないかなっと。」
朝飯(パン)を食べながら、テレビを付ける。...病人のする事じゃねえな。
「...ん?暴動?」
ニュースでは暴動がどうとかやっていた。
「物騒だな...。」
よし、とりあえず風邪薬飲んで寝るか。
――――!―――!!
「...なんだ?騒がしい。」
外が騒がしくて目を覚ます。何かあるのかと窓から覗いてみると...。
「...おい、なんだよ...あれ....。」
人が、食われていた。食っているのは...同じく人。
「っ....!」
急いでケータイを確認する。
「(...メールが数件...!)」
確認する。ほとんど母さんとからのメールだった。
「“緊急事態”、“大変”、“助けに戻れない”、“何とかして”....。」
素早く確認して、要点をまとめる。
「...母さんの方もか...。」
もう一件、大した事がなさそうなメールがある。
「“寝坊したから学校休んじゃったw”おいこら。」
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