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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico35カウントダウン〜Overture to Ruin〜
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ることが出来れば、の話だが」

ケリオンが大人しく連れ去られた理由は、すずか達が殺されてしまうかもしれないという不安に付け込まれたレーゼフェアからの取引によるものだった。すずか達の安全と引き換えに転移門としての力をリンドヴルムの為に使うこと、という取引。
ケリオンは記憶を取り戻しながらも失っていた時間の記憶も残っていた。ゆえにすずかへの恋心も健在だった。神器である自分と人間であるすずか。報われない恋だとしても、好きになった女の子、共に過ごした友達の為、ケリオンは自分を犠牲にすることを選んだ。

「でもさ、ここには来られないでしょ。この世界って、管理局の調査の手が伸びてない宙域らしいし」

「ああ。だからボスはここ何十年、連中に逮捕されなかったんだからな」

シュヴァリエルが天井を仰ぎ見た。リンドヴルムの首領であるミスター・リンドヴルムが居るのは本城の上階らしい。視線を元の廊下の先へと戻したシュヴァリエルはレーゼフェアとケリオンを伴って歩みを再開し、そしてとある扉の前で足を止めた。

「この部屋に、ローフェティタが居る」

転移門ケリオンローフェティタは現在、2つの部位に分けられている。1つは門自体であるケリオン。そしてもう1つは、門の開閉や座標設定を行う錠のローフェティタ。リンドヴルムのアールヴヘイム侵攻の際、リンドヴルムをアールヴヘイムに閉じ込め、大蛇ヨルムンガンドに始末させようと企てて人化した“ケリオンローフェティタ”。その結果は、残念ながら失敗に終わってしまい、今こうしてリンドヴルムに利用されようとしていた。

「入るぞ、アイリ」

ノックもせず扉を開けたシュヴァリエル。部屋の中から「ちょっ、淑女(ダーメ)の部屋に入る時はノック――・・・ああもう!」怒鳴り声が聞こえてきた。部屋の中には、オーディンと騙っていた頃のルシリオンが融合騎としていた少女、アイリ・セインテストが居た。真っ白な長髪に水色のツリ目、服装はワンピース。本来は30cmほどの身長だが、今は130cmほどの姿――ヴァクストゥーム・フォルムになっている。

「アイリだけじゃなくて、今はローフェティタも居るんだけどね!」

さらにもう1人、黒のセミロングヘアに銀の瞳、着替え途中なのか太腿丈のキャミソールという下着姿の少女が居た。その少女こそがローフェティタだ。シュヴァリエルは「そうだったな。すまかった」と、大人しく謝罪すると、アイリが「アイリと態度違い過ぎだよね」プクッと頬を膨らまた。

「別に構わない。裸を見られようがどうせこの体はどうせ作り物。恥じるようなものはないし。で、何の用? ケリオンを連れて来てくれたの?」

「正しく。お前のお望み通りにな」

シュヴァリエルにそう言われ、ローフェティタの無感情だった表情がガラリと変わった。少女
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