暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico35カウントダウン〜Overture to Ruin〜
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かれた廊下を2人で歩く。そんな中、彼女が「イリスをお願いね、ルシル君」ポツリとそう呟いたのが聞こえた。声量の低さからして独り言だったのかどうか判らないため、「もちろんです」俺も呟き程度に返したんだが・・・

「よしっ! 言質取った! 数年後には君もフライハイト家の一員か〜。私やルーツィアにとっては義弟になるんだね〜」

「なんですと!?」

予想外の返しだった。普通、今回の一件でシャルが無茶をしないように、という解釈するだろう。それだというのにルーツィエは将来についての話をしていやがった。さすがに「今の引っかけは卑怯すぎる!」敬語を忘れて素で反論。

「イリスは優良物件でしょ? 可愛いし、強いし、実家はお金持ちだし、権力もあるし、私たち美人なメイドも付いてくるし。ああ見えても将来の夫候補はかなり居るんだぞ〜?」

シャルには幸せになってほしい。前世や“テスタメント”時代の彼女を知っているから、“堕天使エグリゴリ”を救いたいという思いと同等近くにそう願っている。とは言っても、俺が幸せにしてやりたいと思っているわけじゃない。

「今の言質は無効です。これから何があろうとシラを切りますから!」

トイレに着いたことで俺はルーツィエの手から逃れ扉を開ける。そして後ろ手で扉を閉めようという時、「それでも私は、君とイリスが結ばれるように、って願い続けるよ」ルーツィエの懇願めいた声が聞こえた。

「(それでも俺は・・・)っと、そんなことより・・・」

トイレの個室に入って便器の蓋に座り、ある人物へ向けて通信を繋げる。呼び出しコールが少し続いた後、モニターに件の人物の顔が表示された。俺からの突然の通信であっても無表情は変わらず・・・

『はい、リアンシェルト少将です。・・・・どういったご用件でしょうか、ルシリオン・セインテスト特別捜査官』

淡々と俺の通信に応じた。

・―・―・―・―・―・

ロストロギアを専門に蒐集する組織リンドヴルムの本拠地である天空城レンアオム。様々なデザインの城や塔が建つ浮遊するその島は、拠点である無人世界の朝焼けに染まる空を悠々と進んでいた。
レンアオムの中央にそびえ立つ本城の1階廊下。そこを歩くのは3人。“エグリゴリ”のトップ3の1機であり、リンドヴルムの蒐集実行部隊の総隊長である、シュヴァリエル・ヘルヴォル。ヴァルキュリア。同じく“エグリゴリ”の1機であるレーゼフェア・ブリュンヒルデ・ヴァルキュリア。そして、拉致されたケリオンだ。

「本当に、僕があなた達の言うことを聴けば、すずか達を傷つけないんだな・・・?」

「もちろんだとも。先ほどはハート2が半ば暴走してあの子供らを傷つけてしまったが、次は無い。たとえ攻撃されようとも傷つけずに無力化する。まぁ、あの子供らがここレンアオムに来
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