暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico35カウントダウン〜Overture to Ruin〜
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。人化できるだけのスペックは有している。フィレスの表情が曇り、『それが・・・、その腕輪だけが見つからなくて・・・。今朝確認した時は在ったのに』申し訳なさそうにそう言った。ん?っと、小首を傾げる俺とシャルロッテ。ドラゴンハートの神器強奪は阻止したと言っていたよな。それならどうして・・・

「ドラゴンハートに奪われたんじゃないの・・・?」

『騎士シャルロッテ、それはあり得ません。連中は海上で全滅させましたから、誰1人として隊舎への侵入を許していません』

モニター越しに映し出されたその光景に俺とシャルロッテを除く全員が絶句した。海だったんだろうが、そこは氷河と変わり果てていた。水平線の果てまで広がる氷河の上には大小・高低様々な氷山が乱立していた。氷山の中にはドラゴンハートのメンバーらしい人間が閉じ込められてもいる。さすがヨツンヘイム皇族の直系。完璧に“デュック・グラス”を使いこなしている。

「えっと、じゃあ誰かが持ち出したとか・・・?」

『それこそあり得ません。神器を格納していた部屋には課長と分隊長4人の五重の生体認証が必要なので。クラックされた記録も無いですし、盗むのも不可能なはずです・・・』

となれば、「フィレス二尉。その部屋、内側からのロックはどうなんですか?」考えられるのは2つだ。1つは、レーゼフェアが影渡りを使って誰にも気付かれずに進入して奪って行ったか。そして、もう1つは・・・

『それは・・・可能ね。待って。まさかあなた、うちの隊員たちを疑って・・・!』

若干険しい顔をしたフィレスに「違います。そうではなく・・・。ブリギッド・スミスが自ら出て行ったのか、と」そう答える。フィレスを含めたはやて達が、どういうこと?と訊いてきたため、「人化できる神器が、ソレなんだ」って答えた。
それが2つ目の可能性。“ブリギッド・スミス”が目覚め、リンドヴルム襲撃時の攻撃で隊舎が半壊した際に混乱に紛れて逃げだしたんだろう。あまり良くない状況だな。これから連中の本拠地に乗り込もうっていう時に居ないなど。回収した神器と一緒に・・・

(アールヴヘイムへ帰ろうというのに・・・)

そう思っただけで鼻の奥がつんっとなった。まずい。泣きそうだ。たとえアースガルドでなくても、“界律の守護神テスタメント”のままで、同盟世界へ行けるなんて思いもしなかった。2万年・・・永かった。あまりにも永い道のりだった。だが・・・ようやく帰る術を手に入れた。

「その情報はどこで手に入れたのよ、ルシル」

「シュヴァリエルだ。クラナガンの悪夢の際に一課がブリギッド・スミスを回収したことで、奴は1ヵ月と本拠地で警戒に当たっていたらしい」

「ルシル君、その情報って信じられるん?」

「どうだろうな。だが、今となってはどうでもいい事だよ」
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