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《sword art online》 ~クリスタルソウル~
変化
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だいたいそんな感じだった。百歩譲って家庭的であることは認めるが、これじゃまるで・・・・・・
「イヴって、お母さんみたいだね」
「へ?」
思ったことを率直に告げると、ポカンとした表情のまま、イヴが固まった。まるで幼稚園児に告白された若い保育士みたいなリアクションだった。
「あれ?」
なにか変なことを言ったかと考えて、僕はようやく失言に気がついた。
お母さん。十五歳、思春期真っ盛りの健全な男子が、あろうことか異性に対し”お母さん”。
なんという失態だろう。急に恥ずかしくなって、寝ぼけていた頭を壁に叩き付けたい衝動に駆られた。
おそるおそるイヴの様子を伺う。すると案の定、彼女の顔にはニヤニヤ笑いが伝播していった。
「ほうほう、私がナオのお母さん、ね」
明らかに楽しんでいる様子のイヴに、僕はさっと青ざめる。捕えた獲物をどのように料理してやろうか、あれはそんな事を考えている目だ。只でさえ子供扱いだというのに、これ以上からかわれるネタを提供してどうするのだ。
「じゃあ、ナオのお母さんはこんなこともするのかなぁ?」
「は? いや、ちょっと!?」
そう言うが早いか、イヴはふざけて僕に抱き着いてきた。浮かしかけた上半身が再び布団に叩き付けられる。しなやかな体がぎゅっと密着し、やわらかな感触を伝えてくる。それは僕にとって、フロアボスの必殺技に匹敵する破壊力を持っていた。しかもなんだか甘い香りまで立ち上ってくる。頬が急激に熱くなるのが分かった。すぐそばにあったイヴの顔が、満悦そうに、無邪気な子供のように笑う。
「あれ、お母さんが嫌なの?」
灰色の瞳がからかうように光った。限界だ。
「離れろっ、てば!」
顔を背け、華奢な両肩をつかんで彼女を押し返す。僕はいよいよ動悸が激しくなってきて、スチームポットにでも変身できそうだった。
「あー、嫌われちゃった」
甘い香りがすっと離れ、僕はようやく彼女から解放された。まるで全力ダッシュをした後のような気分だった。ぜいぜいと荒い息をつき、素早くベッドの端へと避難する。そんな僕を見て、イヴはまた笑った。
「うん、朝から元気でよろしい」
「お陰さまでね」
そう言ってむくれてみせても、イヴは全く動じない。無防備すぎる彼女の振る舞いに度肝を抜かれるのはこれが初めてではなかった。親しくなり始めてからというもの、ずっとこんな感じである。僕が異性に手を出せるはずがないと高を括っているのか、そもそも男だと思っていないのか。きっと両方だ。
静かにうなだれる僕を尻目に彼女は上機嫌に言った。
「じゃ、そういうことで早く降りてきてね。朝食できてるから」
「はぁい」
「ああ、それと」
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