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ドリトル先生の水族館
第三幕その三

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「鮫君達の場合は」
「悪い歯はね」
「うん、鮫君達はすぐに生え代わるからね」 
 だからだというのです。
「悪くなった歯はね」
「そうだよね、すぐに次の歯が出て来てね」
「生え代わってね」
「欠けても虫歯になっても」
「すぐに新しい歯が生えてくるから」
「虫歯になっても」
 他の皆も言います。
「だから歯はね」
「診る必要はないね」
「他の生きものと違って」
「チェックはするけれどね」
 それはするというのです。
「健康状態は歯にも出るからね」
「お口の中にもね」
「だから診ることは診るんだ」
「治療の必要はなくても」
「それでも」
「うん、そうするよ」
 絶対にと答えた先生でした。
「だから今からね」
「今度は鮫の皆の診察だね」
「水槽の中に入って」
「それからだね」
「そうだよ、じゃあ潜水服を借りて」
 先生はまた言いました。
「診察をしようね」
「じゃあね」
「今からね」
「診察をして」
「鮫の皆にもほっとしてもらおう」
 動物の皆も先生に応えてでした、そのうえで。
 先生は潜水服を着て鮫の皆を診察しました、その診察の後で。
 先生は係の人にです、こう言いました。
「皆大丈夫なことは大丈夫ですが」
「何かありますか?」
「少し栄養が偏っている感じがしました」
「食べるものに問題ありですか」
「そう思います。ですから」
 先生は係の人にこうも言うのでした。
「食事は何か追加されて下さい」
「そういえば最近アジばかりで」
 係の人も気付きました。
「他のお魚はありませんでした」
「それをです」
「他の種類のお魚もですね」
「出して下さい」
「わかりました。ではどうした種類が」
「アジだけでなく」
 先生は係員の人に具体的なアドバイスもしました。
「鰯や鮭等も」
「そうしたお魚もですか」
「餌としてあげて下さい」
「わかりました、しかし鮫もなんですね」
「偏食はあまりよくありません」
「そうなのですね」
「まんべんなくあらゆる栄養素が入っている」
 先生はこうもお話しました。
「ドッグフードやキャットフードの様なものならともかく」
「お魚だとですね」
「それが一種類だとです」
「どうしても栄養が偏るのですね」
「そうです、ですから」
「わかりました、それでは」
 係員の人は確かな声で先生に応えました。
「すぐに他のお魚も出します」
「そうして頂けると何よりです」
 こうしてでした、鮫の皆にアジだけでなく色々な種類のお魚も出されることになりました。そのことを決めてからです。
 先生は鮫のコーナーも後にしました、そしてここで。
 次のコーナーに向かいながらです、チーチーが先生に言いました。
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