流転
異端審問官との決別T
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について行くと、たどり着いたのは殺風景な大部屋だった。
装飾はおろか、家具の一つもない。
「説明するのにこんな場所に連れてくる必要はあるのかしら」
不快感を露にするアーシェ。
その理由は、聞かずともヴラドが語り始める。
「この部屋の壁は反魔術鉱石で出来た特殊なものでのう。つまり、この部屋ではいくら暴れようとも城には傷一つつかぬというわけじゃ」
ここで私はどうすればいいのだ―――。
「主も答えを急くのう。生き急いで何になると言うのか」
ヴラドはやれやれと首を降る。
「さて、先ほど主に言い忘…言わなかったことじゃが」
その瞬間、部屋の空気が一気に変わる。
身を刺すかのような鋭い殺意と、動悸するほどの重々しい空気。
それが襲い掛かったのはもちろん私だけではなく、後ろのアーシェとアルバートも同じく。
アーシェの頬には一滴の汗がつたい、アルバートは驚愕とでもいうかのような表情を浮かべている。
「どういうことよ…ヴラドッ」
「ヴラド様…戯れが過ぎますぞ」
二人は理解したのだろう。
これから何が行われるかを。
そして、それは不測の事態であることを。
「主には一度死んでもらう」
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