幻影-イリュージョン-
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
するだろうし、早いうちに手に入れておけば、手に入れた後で、虚無の少女にあらゆる仕込みをすることで、こちらの意思に従いやすくさせることも可能だったかもしれない。
「こうなったら、少し強引な手を使ってでも…」
手遅れになる前に、早急にそのダイナとかいうふざけたイレギュラーを排除しておかなければ。
その時だった。キラッと、夜空に一瞬何かが流れ落ちた。
自分たちのいる部屋さえも一瞬真っ白に染めた光に、二人は咄嗟に窓の外を見る。
落ちてきたのは、一筋の流れ星のようなものだった。
「…早速みたいね。全く、こういう手合いは前触れを知らないんだから」
シェフィールドは目を細め、メンヌヴィルに向けて手に持っていた物を投げ渡す。
「その『バトルナイザー』、使っていいわよ。誰でも使えるように調整しておいたから。
どんな手を使ってもいいわ。最低でも虚無の少女を生きたまま回収して頂戴」
「…いいだろう。乗ってやる」
メンヌヴィルは口を曲げ、歪んだ笑みを浮かべた。
「奴の苦しむ顔は、さぞ愉快なものだろうからな」
画面には、シュウやテファにとっても見覚えのある一体の怪獣の姿が映っていた。
その姿を二人が見たら違和感を強く感じることに違いない。
様子からして大人しすぎる上に、目に一点の光も灯っていなかったのだから。
夜に差し掛かり、ロサイスに駐在していたアルビオン兵たちに、シェフィールドからの、一つの指令が下される。
昨夜、この大陸の上空にて飛来し、砕け散った隕石の被害状況調査。
直ちにアルビオン軍は手の空いているものから率先して、手始めに隕石の痕跡探しに入る。
隕石が砕かれた地点にクレーターの一つもなかった。そもそも、何の前触れもなく隕石が砕かれると言う不自然な現象のせいで、隕石の欠片と言うものもただの石ころに成り果てていることも否定できない。
最も、任務の最大の目的は隕石の破壊された地点の被害調査が主な目的だった。被害状況さえ分かりさえすればいい。怪我人が出ていなければそれが一番いいのだ。
しかし、調査中にある異常事態が起きる…。
「う、うわああああああ!!」
現場で調査中の兵たちの前に、巨大な影が差しかかった。
もうわかるだろう。そう、怪獣だ。
それも現れたのは先日ウルトラマンを圧倒した、ゼットンだった。
「た、助けてええええ!!」
「ええい落ち着かんか貴様!」
いきなり怪獣が現れたことで混乱が起きる。遥かに強大すぎる敵の出現で兵たちは命の危機のあまり平静さを失った。
しかし、ゼットンだけではない。
ノスフェル、ケルビム、シルバーブルーメ…タルブの戦いでウルトラマンやトリステイン軍を苦しめた悪魔たちが次々と蘇っていたのだ。
「ど、どうなってるんだ!!」
ウルトラマンに倒されたはずの巨獣たちの復活に全員が戸惑い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ