幻影-イリュージョン-
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そんな一般的なものでも、ハルケギニアにはないオーバーテクノロジーで作られたものでもない。
彼女がそれを開くと、三つの小さいモニターが箱に埋め込まれていた。そのうちの一つの中に、シュウを敗北に追い込んだ強敵、ゼットンの姿があった。
「さて、俺はここで…」
ゼットンを、シェフィールドがどう使うつもりなのかどうかについて、メンヌヴィルは興味はなかったから尋ねようともしなかった。立ち去ろうとしたが、シェフィールドから「待ちなさい」と声を掛けられた。
「どうだったかしら?」
「どう、とは?」
「例の、突然あなたの前に現れたとかいうウルトラマンよ」
シェフィールドからの問いに対し、メンヌヴィルは振り返りながら答えた。
「せっかくの獲物を横取りした、と言う点では腹正しいがな。だが、奴もまた…燃やし甲斐のありそうな男だったな」
「気に召したみたいだけど、あのウルトラマンは完全なイレギュラーよ。
我々がターゲットとしている虚無の少女とその使い魔の傍にそんな強力なガードを敷いたままでいる訳にはいかない。
最近はこの星を狙う屑な異星人共も、トリステインを襲ったクール星人に続いて続々と飛来しているわ。
すでに、私たちの目を盗んで侵入している個体もいるでしょうね」
「…」
すでにこの星には、サイトの地球と同様に侵略目的で活動する宇宙人が侵入していることを察しているようだ。この星に来る前に始末しようにも、シェフィールドには地上でやるべきことがあるので、無限の空の外にまで戦力を割く余裕はなかったようだ。
「我が主の危険になるような存在は、即刻排除することが原則。
今度会った時には、確実に殺しておきなさい」
「…ふむ」
ふと、メンヌヴィルが物静かに、それもいつものような残虐な笑みを浮かべ流ことなく思考し、そして落ち着いた態度のまま言った。
「ハイエナのような星人共はともかく、例の奴の場合は迂闊に仕掛けても、あの男に手痛い反撃を喰らうとしか思えんがな」
「あら、あなたにしては弱気なコメントね」
「弱気?違うな…冷静と言ってもらおうか。
そのゼットンとかいう奴はネクサスに変身した小僧では手も足も出なかったが、あのダイナとかいうウルトラマンはその逆だった。ゼットンを軽くねじ伏せる勢いだった。奴は強敵だ。それも、俺より長い期間といくつもの修羅場を潜り抜けてきた戦士だ」
「そう…だとしたらますます放っておくわけにいかないわね」
狂っているとはいえ、メンヌヴィルはダークメフィストであることを除いても一流の傭兵だった男。その分現場の空気の理解度と培ってきたキャリアがある。それほどの男がここまで言うのだ。
シェフィールドは顔を不快感で歪ませた。ようやく虚無の少女が手に入るところで邪魔が入るとは。ジョセフは今のところはそんなに強い執着心はないが、いずれ必要と
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