幻影-イリュージョン-
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の力に目覚めた。
サイトの地球ともまた違った、互いの世界の違いにシュウは興味を抱いた。
サイトにもいずれこの男のことを話すべきだろう。まだ会ったばかり相手だからすぐに喋る訳にもいかないが。
アスカも、ある意味では自分たちよりも厳しい条件下で戦うシュウやナイトレイダーの話を、黒い巨人の話に興味を沸かした。
まだこの世界に来たばかり、これまでアスカはあらゆる世界を飛び回り続けてきた。訪れた世界のことを聞くことも彼にとっては旅の醍醐味で、今後の戦いなどにおいても大事なことだから、その世界の話を聞くことがいつの間にか癖になっていた。
案の定だが、子供たちの質問攻めにもあった。以下のように。
「アスカってどこから来たの?」
「シュウ兄とお洋服がそっくりだけど、どうして?」
「何歳なの?」
「彼女いるの?」
他愛のない質問の中に、色々返答に困るものもあった。自分の世界『ネオフロンティアスペース』がこの世界やシュウのいた世界とどう違うのかも説明するのはこの子たちには難しいだろうし、年齢に関してはネオフロンティアスペースを去ってからもう何年も数えてない。実はおじさんじゃないのか?そうエマから悪意のない言葉の刃が突き刺さり、ちょっとアスカは心が折れかけた。彼女…と言われて、同じチームで戦った女性の姿が浮かんだが、恋愛感情に関してはアスカ自身まだそれが愛情なのかどうかよくわかっていなかった。確かに大切な仲間であったことに変わりないが、その鈍さのせいで、二人の内片方の女性隊員からのデートの話を投げかけられたときに怒らせてしまったほど。
「まあまあ。そんな連続して尋ねられたら答えにくいって。じゃあまずは、俺の武勇伝でも聞かせるから。んじゃ…聞いて驚け!俺の伝説BEST10!」
適当にやんわりかわしながら、アスカは自分の戦いや、その中で経験した体験を口にした。
先ほど例に挙げた女性隊員の乙女心を踏みにじった宇宙人を懲らしめたり、地上に描かれた怪獣の絵が本物の怪獣となった話、風邪を引いた怪獣のせいで冬場なのに基地全体が夏場以上の猛暑に見舞われた話など様々だった。
子供たちにとって、アスカの話はまるで魅力あふれる物語だった。街の景色を盗み出す宇宙怪盗。巨大な三つの変な顔を持つゴーレムの話、そして自分たちが保護していた小さな珍獣の話が特に人気だった。
これが、異次元の英雄ダイナとの出会いだった。
この出会いは、シュウにとって大きなものとしての意味を成すこととなる。
青年、アスカがテファたちと遭遇してから数時間後の夕方。
シェフィールドは宮殿にてメンヌヴィルを出迎えた。
「注文通りの怪獣、回収してきたぞ」
「お疲れ様。こちらでも受信したわ」
シェフィールドは、す…と手に四角い白い箱のようなものを見せる。機械の携帯端末のように見えるが、
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