幻影-イリュージョン-
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と服を着込んでるけど、何者なんだい?」
アスカに背を向けたまま、馬の手綱を握るマチルダが尋ねた。
「ああ、俺は…スーパーGUTSって組織で隊員やってたんだ。それで仲間たちと一緒に怪獣とか異星人とかと戦ってたんだ」
格好のおかげもあって、マチルダの予想は的中した。
「で、まあ正式入隊する前の訓練中の日に、ポカやらかしてさ…でもそんな時に、俺は光と遭遇してウルトラマンになったんだ」
それから聞いたアスカの話は、初対面時のシュウとよく似ていた。怪獣や異星の侵略者と戦い、平和を勝ち取る。その戦いの日々での苦悩の日、逆に奇妙な冒険物語のような事件、そして激しい激闘を経た果てに、彼は世界をも超えてここにいるのだという。
だが、シュウの話とは違うものがあった。
彼の話だと、彼の世界で人類に味方したウルトラマンはただ一人だけだったはずだ。それにスーパーGUTSなんて名前の組織も聞いていない。
「最後に戦ったスフィアの親玉がとんでもないやつでな。星なんか簡単に呑み込めるほどのとんでもなくでかい奴で、俺一人じゃ流石に倒せる相手じゃなかった。でも、仲間が…守りたい人たちがいたから俺は勝てた。
まあ、勝った代償なのかどこなのかもわからない場所に飛ばされちゃって今に至るってわけなんだが」
「はあ…」
シュウのときもそうだが、この男の話も宇宙進出など何年先なのかもわからない世界の人間であるマチルダたちには完全な理解はできなかった。
(平賀から聞いていた話ともまるで違う…となると…)
アスカの話を聞いて、シュウは一つの確信的な仮説にたどり着く。アスカの話が真実ならば、サイトのいたM78世界とも、自分の故郷であるネクサス世界とも全く違う世界の人間、ということだ。
「まあ、ある意味じゃあんたは迷子ってことか」
「ま、迷子…なんか地味に傷つくなぁ…否定はできないけどさ」
年齢的に既にいい大人のアスカにとって迷子扱いは精神にちょっとしたダメージを与える。この世界の仲間がこれを聞いたらなんやかんや言ってきそうだ。
「まあ、今は適当に宇宙を飛び回ってて、万が一これまで俺が戦ってきた敵と同じような奴がいたら懲らしめてる。んでそんな時に…」
この星で戦う彼を見つけた、ということだ。
あの後、シュウとアスカは互いのことを話した。
同じ地球人で、防衛チーム出身者、そしてウルトラマン。二人には共通点が多かったが、二人が高いに知らないこともまた多かった。
シュウの世界には、先ほども戦った黒いウルトラマンが現れ人類に甚大な被害をもたらした。それを聞いて、アスカはシュウが自分に対して警戒を抱いた理由を理解した。
アスカの世界では超古代の時代にもウルトラマンがいて、彼の先代のウルトラマンがまさにその力を継ぐ者、そしてアスカもまたそれとよく似た正体不明の光との遭遇で光
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