第六十一話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
者の話
皆さんは転生と言う言葉はご存知だろうか。
二次小説でよくあるアレである。
何故そんな事を聞いたかと言えば、俺がそのよくある転生者だからだ。
生前は良くあるオタクの一種だった俺だが、転生したからといって特に何か特殊能力がついたと言うわけでは無い。
しかも転生先は特に生前と代わり映えの無い日本。
魔法も無ければ超能力…は有るか?
なんか女性特有の病気にそんな事があるとか何とか。
…確かHGSだったっけ?
まぁいい。
そんな世界で、もしかしたら何かの漫画の世界なのかもしれないと考えはしたが、この世界が何の世界か分からなかった。
…ナーヴギアが開発され、ソードアート・オンラインが発売されるまでは。
なんとまさかのソードアート。
デスゲームで有名なあの作品だ。
これは、やるしか無いっ!
何の超能力も持たない俺も、掛ける代償は自分の命だが、あの世界ならば英雄になれるっ!
そう思った俺に幸運は舞い降りる。
なんとβテスト参加者に選ばれたのだ。
確実にデスゲームと化すであろう製品版ではなくβテストに参加できるのはかなりのアドバンテージになるだろう。
主人公のキリトだってβテスターだったしね。
βテストで実際に体験したSAOは本当にすばらしく、デスゲームになる事を忘れるくらい俺を魅了した。
仲間と一緒にダンジョンを駆け、ボスを打倒し、自己を強化する。
だんだん強くなっていく自分のステータスを見るのは凄く楽しかったし、他者を見下す優越感も得られた。
βテストが終わるのを本当に寂しく思ったほどだ。
そして始まった正式サービス。
デスゲームの始まり。
俺はβテストの知識を生かしてまずはじまりの街を直ぐに脱出、ホルンカの村へと走る。
そこでイベントをこなすと手に入れられる片手直剣の『アニールブレイド』をゲットできればしばらく武器の心配をしなくていい。
俺はレベル1で埋めれるスキルスロット二つを『片手用直剣』と『隠蔽』で埋め、フィールドをひたすらに走る。
ホルンカの村に着くと直ぐに『森の秘薬』クエを受注するために病気の娘が居るNPCの家へと向かいお涙頂戴の話を聞き流す。
森に入ってリトルネペントと言う植物型のモンスターの中に偶に出てくる『花つき』を倒せば出てくる胚珠をNPCに届けるクエストだ。
早速森に入ると既に先客がいた。
14、5歳の男だ。
その動きは流麗で、今この時間にここに居る事が彼をβテスターだと確信させる。
ズバンっと目の前のリトルネペントのHPを全損させてポリゴンが爆散する。
どうしようかと考えて取り合えずレベルアップエフェクトが見えた彼に拍手を送る。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ