「この世ならざる者」
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三時間が立って自由落下をしている4機の機体は空気との摩擦でものすごい高熱を帯びていた。機体がとんでもない速さで落ちていることだけはそれで分かる。
『くっ、まだかこれじゃあ機体がもたない』
『大丈夫ですよ、この戦闘機は特別性、秘密裏に各国の戦闘機の技術の粋を集めて造られたものです。耐熱性に関しても宇宙ロケット並に出来ています』
『伊佐のお母さん、よく知ってるな』
『あらあ、新しい機体に乗る前にはマニュアルを千ページほど書いてあるのをいつも読むようにしていなければなりませんのよ』
『千ページって母さん、あの空母にくるまであそこのことは秘密にされてたはずだけど?』
『そんなものは発進前の数分間あれば頭にはいるので』
『伊佐の家族はいろいろ規格外すぎる』
『ん?伊佐さん。レーダーに反応、前方一キロに目標多数!』
底からでてきたのはなにかとてつもない力をもった無機質なフォルムの生物たちだった。
『来たぞ!彼の者だ。全機攻撃体制!突っ込め!全てを倒そうと思ったら時間はない。狙えるものだけ狙って落とせ』
機銃とミサイルの束がその生物群にあったった。そして中には炎に焼かれて落ちていくものも居る。レーザー兵器。超高温の遠赤外線をコンピュータ制御の砲塔が対象に発射する。対象はコンマ0・5秒で燃え上がる。
そしてすごいのは自動マルチロックオンシステム。一度に二百発のミサイルをカーソルに入れてロックオンして自動的に連射できるのだ。
それだけじゃない。両翼に二門、高密度のマイクロウェーブを発射する砲台が起動する。起動すると両翼から開閉式に砲門が出てきて一度に敵をどれだけ倒せるかを演算しつつ撃つことができる。うまくいけば連鎖爆発を起こし敵に深刻な損害を与えることができる。
敵は多く一体は小さいがそれが一つのうねりのようにまとまって襲ってくる。機銃を当てているところで激しいせめぎあいが起こりどんどん群がるハエを炎で炙って落とすように次から次へと落としていった。
全部で十の群れがまるで一個の手のように襲いかかってくる。人間の手の指を全部、槍にしてそれに反対側にもう五本の対になる指をつけたような感じだ。
やがて機銃の弾が尽きて、留めていたその手の指が合わさるところにあらかじめ示し合わせていたマイクロウェーブ砲を四機が一斉掃射した。そのとたん周囲は閃光の爆発の嵐となって全ての敵は駆逐された。
今自分たちは、弾丸より早いスピードで動いているのだ。そしてそれから四時間経過してやっと底についた。底は、ものすごく広くて火星のように荒涼としていた全てが殺風景で人気も何もない。光もささないから彼らは暗視ゴーグルで進むしかなかった。
だがここで織花のスキルが役に立った。織花は、先頭に立って進んだ。どういうわけか気配を消せるだけでなく全く音を出さないとか
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