「この世ならざる者」
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少しの音も聞き分けるというスキルにも熟達していた。
「すみませんでした。飛んでいる最中ずっと気絶していたようで・・・・・・」
「いいよ、それより大丈夫?こんな真っ暗なところをそれもかなり広い。その中で彼の者の箱を探さなければならないんだ。ものすごく難しいことを任せてしまっている。すまない」
「いえ、だんだん目が慣れてきました。子供の頃から夜の森を一人で探検したりしてましたから」
「夜の森?おいおい、子供が一人で行くには危なすぎるだろう」
「いえいえ、私の実家はホントど田舎だったので1軒、家があったら周りが鬱蒼とした森といったところで夜になって晩飯の材料がなかったりすると森に行ってキノコとかとってましたから」
「織花、すごいな。まるで熟練の山師のようだ」
「ああ、それから暗視ゴーグルはここではなんの役にも立ちませんよ。ずいぶん深い穴のようなので光が完全に届かないようです。私は、なんとなくどんな暗闇でもぼやっと周りが光って見えてるのでなんとなく道がわかるのですが。それにしてもここはどこなんですかところどころに大きな船がそのまんまひっくり返っていたりとか飛行機が墜落してそのまんまになってたりとか潜水艦とか宮殿らしきものまでありますよ?」
「ああ、その昔、この地域は一つの大陸だったらしいんだ。だが大きな地盤変動で大陸は海に沈み、そしてそれからここらは火山帯の活動が盛んで鉄を腐らす蒸気や強力な電磁波を発生させて電磁パルスのようなものを起こしたりと。ふしぎな現象が絶えない」
「へえ、そうなんですか。やっぱり豊村さんはものしりですね」
「うん、だがこういう伝説が残っている。そらをすべ、だいちをつかさどり、うみをしはいした大陸は大いなるレヴィアタンの名のもとにほろびさった。今では海底にそのそくせきを残すのみなり」
「レヴィアタン、ああ、リヴァイアサンのことですね」
「ああ、そうだ。旧約聖書にはその名前で乗っているのさ」
「あ、あの」
「ん?どうした友恵」
「リヴァイアサンってさっきのあの巨大なあれですよね?」
「そうだ。今この周りを回ってここに渦潮をつくって大きな空洞を造ってる張本人だ」
「あれはなんなんですか!?ものすごく怖かった!私、バハムートもなるべく見ないようにしてたんですよ、なんていうか恐怖とか以前に意識そのものを持ってかれるような感じであれは目にしてはいけないんだと思います。人はあんな存在と対等に渡り合うようなことはありえないんでしょう」
「まあな、強いて言えばそうかもなだがこれからわたしたちが対峙するものたちもそれと同格なんだぞ?」
織花の顔が凍りつく。
そんなことを話している女子一行とは別に後から着いて来る男子一行があった。
「おい、糞ガキ、内の伊佐とはいつごろから付き合ってるんだ、あ?なめんなよコラ」
「あー
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