Fate/stay night
1106話
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々とあるのよ、色々と」
そんな風に話しながらも、家の屋根を跳び、電柱の上を跳び、標識の上を跳ぶ。
そんな風にして移動していると、やがて凛の合図で地上へと降りる。
「ここでいいのか?」
「ええ。確かここから少し先に行った場所にある家よ」
凛に先導されるようにして道を進み……
「止まれっ!」
咄嗟に凛へと声を掛け、その動きを止める。
凛もまた、俺の声に宿っていた緊張に気が付いたのだろう。素早く動きを止めて、こちらに視線を向けてくる。
「どうしたの?」
「聞こえないか?」
俺達の進行方向から聞こえてくるのは、金属音。
……そう、まるで武器と武器がぶつかり合っているかのような、そんな金属音だ。
「衛宮君?」
「さて、どうだろうな。片方が凛の予想通りにランサーだとしたら、一般人が少なからず対抗出来るってのには違和感しかないけど」
「つまり……何かイレギュラーな事態が起きてるのは間違いない訳ね?」
「ああ。だからこそ慎重に行くべきだ。あの金属音が聞こえている以上、衛宮だったか? あいつは生きてるって事なんだろうし」
異変。この状況での異変であり、サーヴァントを相手にしての異変となれば、考えられる可能性はそう多くない。
だが、一瞬脳裏を過ぎった考えをすぐに却下する。
何しろ衛宮は一般人なのだから、そんな事は有り得ないだろうと。
そんな風に考えながら道を進んでいくと、不意に視線の先にある家からランサーが飛び出して来たのが見えた。
一瞬、俺の方へと視線を向けると、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべてからどこへともなく去って行く。
ランサーがいなくなったか。さて、そうなると残っているのは……
そう思った、その時。
再び何かがランサーが飛び出してきた家から飛び出してくる。
ただし、その何かはランサーを追うのではなく、真っ直ぐに俺の方へと向かって突っ込んできた。
「凛っ!」
一声叫び、注意を促しながら前へと進み出る。
相手がどんなつもりなのかは分からないが、それでも俺に向かって攻撃を仕掛けてきたのなら、敵として対処させて貰う!
俺の方へと向かってきている相手は、何かを握っているような構えのまま両手を大きく振る。
何か危険だ。咄嗟に判断すると、腰を落として地面にしゃがみつつ相手との間合いを詰める。
同時に、上空を何かが通過する音。
それも、生半可な風切り音ではない。鋭さと威力の2つを併せ持った、そんな音。
ちっ、透明の武器か!?
今の一撃や、先程ランサーとやり合っていた金属音を考えれば、間違いなくこの相手はサーヴァント。
頭の中をそんな考えが過ぎるのと、俺が相手のすぐ前に立ち塞がったのは殆ど同時だった。
「はぁあっ!」
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