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転生とらぶる
Fate/stay night
1106話
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んだ。そのすぐ後に渡しても、凛の性格を考えれば受け取るかどうか微妙だったし。
 けど学校から離れて冷たい空気を吸って、少しは落ち着きを取り戻した今なら、と思った訳だ。

「凛、これ。忘れ物だぞ」
「え? あ、ああ、ごめん。ありがと。にしても、このペンダントをアークエネミーが持ってる理由は結局不明なのよね。……ねぇ、もしかしてあんたの真名ってエミヤだったりしない?」
「……まぁ、そう思いたい気持ちは分かる。けど、それはさすがにないだろ。俺とさっきの男が同一人物だと思うか?」
「だって、あんたも衛宮君も髪は同じ赤系じゃない」
「……それで同一人物認定されてもな。だいたい、同じ赤でも向こうは鉄錆に近い赤で、俺はもっと純粋な赤だぞ」

 それもそっか、と溜息を吐く凛。
 俺があの衛宮とかいうのの、将来の姿? 髪の色はともかく、顔とかは全く違うと思うんだけどな。

「でも、正直こんなところであの宝石を使うとは思ってなかったわ。あの宝石、私の奥の手の1つだったのに。……うん?」

 そこまで告げると、ふと何かに気が付いたかのように言葉を止める。
 そして、やがて凛の顔が引き攣っていく。

「凛? どうした?」
「……不味いかも。それも相当に」
「何がだ?」
「っ!? 話は後よ! とにかく今は衛宮君の家に行かないと。下手をすれば折角助けたのに無駄死にされちゃう!」

 叫ぶや否や、一気に地面を蹴ってその場を後にする。
 何だか余程の事があるらしい。

「理由は分からないけど、とにかく急いでるんだな?」
「ええ!」
「分かった。なら少し揺れるけど気にするなよ」

 そう告げ、走っている凛の足を後ろから掬い上げるようにして持ち上げる。
 膝の後ろと首を抱き上げる格好。いわゆるお姫様抱っこという奴だ。
 正式名称は横抱きだったか? ……聖杯も、妙な知識を入れてくるな。

「きゃっ、ちょっ、ちょっとアークエネミー!?」
「いいから、急いでるんだろ? で、その衛宮とかいう奴の家に向かうって事でいいのか?」
「え、ええ。お願い! もし衛宮君がまだ生きてるとランサーが知ったら、恐らく……いえ、間違いなくもう一度衛宮君の命を狙って来る筈。サーヴァントに命を狙われたら、一般人の衛宮君じゃどうしようもないわ!」
「なるほど、確かにそれはあるかもしれないか。案内を頼む。俺はそいつの家の場所が分からないからな」

 凛を腕の中に抱え、そのまま指示に従って屋根の上を飛んでいく。
 道路をこの速度で走っているのを見られたりすると、色々問題になるのは間違いないからな。それこそ冬木の都市伝説とかになりかねない。

「にしても、何だってあの衛宮とかいう奴の家を知ってるんだ? そんなに親しいって訳じゃないんだろ?」
「……色
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