23部分:第二十三章
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願いしますね」
願わくばそんな時は絶対に来ないで欲しい。
「しかしそれは全て神の御意志の下ですが」
僕は残念なことに自分の運命については全く知らない。しかしそんな運命は絶対に嫌である。
「ですがもし神が望まれるならば私達はまた会うことになるでしょう」
「そうでしょうか」
「はい。それこそが神の御力です」
僕はそれをもう殆ど聞いていなかった。そんな運命は絶対に来ないで欲しいと神に祈っていたのだ。
しかしその祈りは聞き届けられなかった。日本に帰って暫くしてよりによって学校に行く途中で会ったのだ。
「神よ、この思し召しに感謝致します」
彼は微笑んで言った。だが僕はその運命を天を仰いで嘆くばかりであった。人の運命とは本当に神の意のままである。
古城の狼 完
2004・3・11
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