夢の中の敗北
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なの士気に関わるわ…」
そんな円堂と雷藤の異変を夏未へ教えに理事長室を訪れた秋。
確かに円堂と雷藤はチームの精神的な柱である以上、落ち込んでいられるとサッカー部全体の士気に関わってしまうからだ。
「どんな言葉をかけたらいいか分からないの…」
「私なら見守るけどな…決勝戦に出るなんて、最初の弱小サッカー部の頃に比べたら、ありえないくらい凄いこと。緊張するなって言う方が無理よ、だから私からあなたにお願い」
「お願い…?」
「私、これから父のところに行かなければいけないの。円堂君と雷藤くんを見守っていて、お願い」
───────────
「ごめん、遅くな…わっ」
「め、珍しい空気だな…」
その日の放課後、練習を風丸たちに任せた俺達、円堂、雷藤、豪炎寺、鬼道の4人組は部室で思いっきり落ち込んでいた。
「鬼道、雷門で世宇子の力を目の当たりにしているのはお前だけだ。奴らのシュートにゴッドハンドは通用すると思うか…?」
「分からないとしか言えない…今はな。世宇子の力だって俺は完全に把握してるわけじゃない、ただ…世宇子のシュートは武方3兄弟のトライアングルZより、遥かに強く恐ろしい。それだけはハッキリと言える…」
あのトライアングルZを超える威力…。やはり世宇子のシュートはトライアングルZと比べ物にならないほど強力なようだ。
ゴッドハンドはトライアングルZ相手でも圧倒されてしまったことを考えると、もはや世宇子のシュートには通用しないかもしれない。
「…トライアングルZは栗松と壁山に支えられてどうにか止めることが出来たけど…きっと世宇子戦は今までにない激しい試合になる。壁山たちだって、俺のフォローにばかり入ってはいられないよ」
「確かにいつも3人でキーパーをやるわけにはいかないよな…」
「お前のお祖父さんの特訓ノートは…?ゴッドハンドより凄いキーパー技のヒントはないのか?」
木戸川戦で習得したトリプルディフェンス、あれならゴッドハンドより強力だが円堂は世宇子戦ではほとんど使う余裕はないと考えているようだった。確かに準決勝まで勝ち上がったカリビアン中が10分持たずに世宇子に全員病院送りにされたことを考えると、世宇子との戦いでは雷門中もケガ人が続出することが想定される。3人のうち1人でも欠けたら使えないトリプルディフェンスは、誰か1人ケガしたら使うのが難しいからな。
俺は鬼道の言葉を聞いて、俺は円堂から借りていた、円堂のおじいさんのノートを開き指を指した。
「これだ、マジン・ザ・ハンド…円堂のおじいさんによれば最強のキーパー技を編み出したんだって。ここがポイントって書いてあるんだ」
俺はそして書いてある絵の胸部分をさらに指で指した。
「ここ…?
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