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101番目の舶ィ語
第十一話。散花
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その時。
チリ、チリっと。俺の中で何かを感じた。
何だ? この感覚??
首の辺りに何か違和感を感じる。
虫の知らせのような、嫌な予感。
俗にいう『第六感(シックスセンス)』が働いた。
これはマズイ??
そう思った俺は『潜林』を放って身を屈めた。
次の瞬間。

『不可視の線糸(インヴィジビレ・ライン)』」

キンゾーの声が聞こえ。
頭上を見上げるとヒステリアモードの俺の視力は、先ほどまで俺の首があった位置を、何か細長い物が瞬時に通過するのを視認した。
あれは……ワイヤー?
細長い、極小の線。
ピアノ線にも見えるソレは俺の首があった位置から向かいにある民家の塀へと向かって伸びていた。

「チッ、避けられたか。当たっていれば即死だったんだがなァ……流石だぜ、兄貴!
よく躱せたな。誇っていいぜ兄貴! この技を見切ったのは兄貴が初めてだからな!」

「……なんだ、今の??」

ただのワイヤーじゃない。ワイヤーよりも硬く、切れ味がいい。そんな素材で出来ている。

「ピアノ線……正確にはTNK(ツイストナノケブラー)だ! 兄貴が昔、まだ敵だった『銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト)』にしてやられそうになったモンと同じさ。あの時はアリアが気づいて防いだようだが……懐かしいだろ?」

そう言ったキンゾーの声はイタズラに成功した子供のような笑いを含んでいた。

「そんなことも知ってんかよ……どんだけ俺の事を調べたんだよ。
やっぱりお前、俺のファンだろ?」

「だから、ゾッとするような事言うんじゃねえよ! べ、別に兄貴の事が気になったからとか、兄貴の過去に興味が湧いたから昔のことも全部調べた、とかそんなことはないんだからなっ!」

「……お前らツンデレ族は聞いてもいないことをどうしてそうペラペラ話すんだ?」

「?? そ、そんなんじゃねえよ!」

分かりやすいな、キンゾー。
そんなんじゃ自分がツンデレだって認めてるようなモンだぞ?
キンゾーの弱点その@。ツンデレを指摘されると照れる、だな。
だが、今の技はかなり危ねぇぞ。
咄嗟に気づいたから躱せたが、視認できない速さでの攻撃だったからな。
『首なしライダーはピアノ線で首を切断した』……そう云った噂によって今の攻撃が出来るのなら。
かなりやっかいな相手だぞ。キンゾーを相手にするのは。
今の技は兄さんの『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』にもひけをとらないくらい速かったからな。

「兄さんの不可視の銃弾(インヴィジビレ)をアレンジしたのか?」

「……そんなんじゃねえよ」

キンゾーは否定してるが、あれは間違いなく『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』だ。
やっかいだな。『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』なら攻略でき
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