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101番目の舶ィ語
第九話。『音速境界』
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イン・ザ・マッハ》』!」

凄まじい衝撃を受けて俺の体は宙を舞った。
今のは『桜花』??
『妖刀』の『炸牙』にも似た衝撃が俺を襲った。
やがて、どさりと背中から地面に叩きつけられた。
全身を痛みが駆け巡る。
だが痛みよりもずっと感じるものがある。
______これは?


俺はなっている(・・・・・)


______分かる。
分かるぞ。
俺の体の中心・中央に、何か異様な血が流れているのが分かる。
さっきまでの逃げ腰な自分とは違う。危険な感情が、湧いていた。
これは______怒り。
『物語』を奪う。ただそれだけの理由で一之江を襲い。苦しめ、最後は見せしめのようにして吹き飛ばした目の前の男達への怒り。
俺の一之江を倒した奴らに対する怒りだ。
ベルセに似ているがアレとは根本的に違う。
もっと強力な、危険な力。
黙って立ち上がる俺に警戒したのか、氷澄とラインはその場を動かずにいる。

「何、立ち上がる……だと」

「わらわの技を受けて尚、まだやり合うというのか?」

立ち上がった俺を見て驚愕の表情を浮かべてじりじりと、後ずさる二人。
無意識な内に行ったのか、そんな行動に対して信じられないといった顔を浮かべる。
無理もない。虫の息だと思っていた格下の相手に恐れるはずはないと思っていたのだろうからな。

「馬鹿な! HSSになるには発情しないとなれないはすだ!」

「それは違うぞ、氷澄。わらわの知るあの男は性的興奮以外でもなっておったからの」

ラインはそう言い。そして再びその姿を消した。
一瞬のうちに俺の背後に現れたライン。
今度は音速の技を俺に放つつもりか。
普通の人間なら絶対に避けられない『速度』での攻撃。
だが俺にはその動きは全て見えている(・・・・・)

「どんな手を使ったのか知らぬが、これで終わりじゃ。
音速境界(ライン・ザ・マッハ)』!」

「よし行くぞ! 『厄災の眼(イーブルアイ)』!」

ラインにより放たれた攻撃が俺の体に届いた、刹那の時間。
俺は倒れた一之江を視界に入れないように注意しつつ、全身の筋肉を連動させた。

「『橘花(きつか)』!」

通常の『桜花』とは違う。
逆の方向(ベクトル)に放つ第二の桜花。
ラインが放つ技が音速を超えているのならば、それを打ち消すだけの『速度』を放てばいい。
ただし放つのは技とは間逆の方向。
どんな強力な攻撃だろうと相殺出来れば0となる。
音速境界(ライン・ザ・マッハ)』を破るにはこの減速防御が効果的なはずだ!
ヒステリアモードが見せる超スローな空間の中で。
パアァァン、という衝撃音が鳴り響き。
スローな時間が解かれるのと同時に。
俺は音速を超えて迫ってきたライン
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