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101番目の舶ィ語
第九話。『音速境界』
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氷澄、というのがメガネ青年の名前なのだろうか?
そして、片目のゴシックロリータ少女は『最強』と恐れられている一之江に対抗できるほどの『都市伝説』なんだろうか。

「ふむ。ならば呼ぶがいい。わらわから逃げられる存在など、いないのだからな」

俺に一之江を呼ぶように促し、一之江が呼ばれるのを腕を組みながら待つ、ラインと呼ばれた少女。

「今は寝てるから、また後日じゃ……駄目か?」

一応尋ねてみた。俺の発言をジョークか何かだと思ったメガネ青年は口元に皮肉げな笑みを浮かべる。

「それが命乞いだとしたら、もっと上等な言葉を発した方がいい。どれが遺言になるのか、解らないのだからな?」

こいつは解りやすいくらいの、いかにもな悪役だな。
武偵高にもいたな。こういう感じの三下。
こういう奴に限って、因縁とかつけてくるんだよな……。
だが、まあ。
こういうストレートで言う奴の方が助かる気分だ。
敵が女の子だったら……なんというか、倒しにくいしな。


「じゃあ、お言葉に甘えて」

一之江はさっき寝たばかりだから、起こすと絶対不機嫌だろうが。
噂になってるほどの『最強』っぽさには、何度も助けられているのは事実だからな。
Dフォンのデータフォルダにある、人形の写真を表示して。
俺はそのままボタンをポチッとな、と押してみる。
その瞬間______。


「もしもし私よ、以下略」

「そこ重要なんじゃないのかよ、アイデンティティーとして!」

「うるさい殺す」

「ツッコミすら許すつもりもない??」

予想通り。寝てるところを起こされた一之江の機嫌はメチャクチャ悪かった。
背後からイライラとした声が聞こえたので、せめて雨除けをしようとビニール傘で後ろをかざしておく。
これで少しは機嫌を直してくれるといいのだが。

「ほう、お主が『月隠のメリーズドール』か……」

「ゴシックロリータの服とは、なんかキャラがかぶっていますね。そういう貴女はどなたなんですか」

「よくぞ聞いてくれた。わらわの名はライン。都市伝説の名は……」

ラインと名乗ったゴシックロリータ少女の姿が一瞬にして消えて。
気付いた時には、俺の……いや、背後にいる一之江の真横に現れていた。

「っ?? 『想起跳躍(リンガーベル)』っ」

一之江もいきなり現れたラインの姿に驚いた様子で、慌てて技名を叫ぶが。
しかし。

「ははは、遅いぞっ」

空間跳躍した一之江の真横に、ラインは一瞬にして現れた。

「っ?? 馬鹿な……一之江の技は空間を超えるはずじゃ……??」

「超えましたて。このロリババアが空間跳躍並みのスピードを持っているんですよ」

驚いた俺に対して答える一之江の声はいつも
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