第四十七話 新たなる戦いへ 前編
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イ殿。しかし、ミレイ殿がそのような呪文まで使えるのは思ってもなかったです。流石はミレイ殿。魔法の天才というだけのことはありますな」
ピエールが素直に賞賛しているのを聞いて、私はちょっと罪悪感を抱いた。元々私の魔法の力は『特典』のおかげで使えているものなんだから……。
「今のライデインのおかげで魔物の気配はもうこの大広間にありませんし、後はアベル殿とビアンカ殿の元に向かいましょう」
「うん」
私は仲間と共に歩き出した。
『首尾はどうだ?』
深い、深い闇。その闇の中に声が響いた。
「ええ、順調です。×××様……」
一人の男が震えながら、その声に応じる。
男の眼下には、魔物の襲撃を受け、傷付いたグランバニア城の姿があった。
それを見ると、男の胸に冷たく、不快な何かがゆっくりと纏わりつく。
ーーついにやってしまった。
ーーついに自分はもう戻れないところまで来てしまった。
ーー生まれ、育ったこの場所を自分の手で穢してしまったのだ……。
『ならいい。さぁ、残りは我が忠実な部下がやってくれる。お前はデモンズタワーに戻れ』
「はい……。畏まりました……」
男は瞳の端に涙を浮かべると、背を向けた。
「直ちに向かいます……。ジャミ様……」
そう言い残して、男は夜空へと消えていった。
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