本編 第二部
「天と海、そしてそこに潜むもの」
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六機の戦闘機は乱気流の中へ突っ込んだ。雷が蛇のように連なり風があらゆる方向へ
吹きすさぶ。
『豊村さん、私はここから離脱するわ。今高町さんの伝令が入ったの!私の力が必要みたい。ここからはあなたの力で進むのよ』
「細川さん!?待ってくれ、ここを抜けるには細川さんの力がっ!」
『豊村さん、あなただって霧深く山切り立つ樹海の奥地、古の仙人にあったのでしょう?もっとあなたの力を信じてあなたの力は私なんかよりもずっと優れているのだから』
一機の戦闘機が乱気流に飲まれて消えて行った。
『伊佐!細川は大丈夫だ。あいつがこんな乱気流程度でやられるはずがねえ!伊佐、今は目の前の事に集中するんだ』
『賢治!分かった。父さん、運転は任せたよ』
突然、伊佐は戦闘機の窓を開けた。ものすごい風を受けているのに身じろぎもしないで平然としている。そして何事かを唱え始めた。すると乱気流が晴れていって別世界が顔を出した。そして窓を閉める。父親は後ろでぎゃあぎゃあ言ってるが聞く気はない。
「ここは……」
そこは空と海とが限りなく広がる巨大な空間だった。海はさざ波一つ立たず、まるで透明な鏡のようで空には太陽と月が同時に昇っている。それどころか、この太陽系の9つの惑星が不気味にとても近く見える。ここはなにかどこか異星のような匂いがある。
「なんだ、これは。伊佐どうなってるんだ」
「リヴァイアサンだ。いやそれにバハムートもだ、おかしいとは思ったんだ。あんなに巨大な銀河系より大きな生物がなんの仕掛けもなくこんなちっぽけな惑星に姿を表せるわけがないんだ。おそらくここらいったいは時空を超越した異次元なんだ。いってみれば聖獣たちの夢の中かな、夢ならばどんな仕掛けも自由だからな」
「だけど、これは夢じゃない、現に戦闘機はわずかながらガソリンを食いながら物理原則どうりに動いてる」
「だからリヴァイアサンともなればここに銀河系ひとつくらい空間を用意するくらい朝飯前なのさ、存在そのものがバハムートもそうだが規格外なんだどんなことを起こせても話は通じる。現にみろ、高度計を上空一万メートルに居るはずの私達が見ろ、高度計が振り切れて壊れてしまっている」
「つまり聖獣がゆうゆうと泳げるくらいのとんでもない高さと深さの天と海があるってこと?」
「そういうことだ、気をつけろよ、みんな。アラビアンナイトのようにその巨大さだけで失神してそれまでだっていうことだってあり得るからな」
だが突然ことは起こった。下の方で見渡す限りの海が大きく一うねりの渦が周り始めた。下にものすごい巨大な何かがいるのは分かった。
「なんだ、あの海、なんて深さだ。渦の底が見えないぞ」
「ひいいい、わたし。サメが駄目なんです。嫌っ!見たくない!きっと一口で食べられちゃうんだ」
「落ち着いて織花さん。いくら大きくた
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