本編 第二部
「天と海、そしてそこに潜むもの」
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って前もって予測しておけば失神するなんてことにはならないわ。いい?サメが怖いのはどうしてか冷静に考えてみて。それはたぶん潜在的に太古に同じような目に私達の祖先が会ってるからよ。青くどこまでも深い海のなかからゆらりとあの姿が迫ってくる。それがDNAに刷り込まれてるだけよ」
「あ、あのうなんだか余計怖くなったんですけど、水族館で一度わたしのすぐそばをあれが通り過ぎたのがリフレインしてます。あ、だめです。豊村さん、短い間でしたがありがとう」
渦はどんどん広がってとうとうそいつは姿を表した。轟く海のうねりが轟音となって響いている。
海上に奴の背の突起が何本も浮き上がり始めた。ざっと見て一つの突起の高さがエベレストよりも高い。それが何本も連なってまるで山脈でもみているみたいだ。しかしその山脈は、滝のような水を滴らせ渦をどんどん大きくしていく。
そして海がとてつもなく澄んでいるせいなのかだんだんと奴のシルエットが見え始めた。海に大きく巨大な影を落とし、波を打ってうねっている。
『豊村!織花が失神した!もともとこの戦闘機にのっていることだって織花にはきつかったんだ、俺達はなにかと鍛えているから平気だが織花は素人だ。戦闘機のGに耐えるのだってきついはずだ!』
そうだった、わたしともあろうものがそんなことに頭が回らないとは、だが、今は目下のリヴァイアサンを相手にしなければならないあいつはどう出てくる。リヴァイアサンはバハムートとは違う。神が最強の生物として生み出した海蛇神だ。その性格は獰猛で冷酷無比、絶対にこちらがわになにか仕掛けてくる。どうして奴は何故、渦なんかを作っている?何が目的なのだ?どう戦えばいい!
『豊村、やばい。なにかやばい気配がする!もうじき奴は何かを仕掛けてくる!」
そのとおりだった。奴の渦はどんどんせり上がって高くなっていくものすごい海水の量にそこら中を埋め尽くす轟音。ゆらゆらと揺れる水平線がなにか危険なものを暗示していた。今や、この見渡す限りの海水が残らず渦となっていく。今や海は荒れ狂っている大波が渦の中になだれ込んでいく。戦闘機はそのすぐ上空を飛んでいる。
『おいおい、おれら、高度計が振り切れてるからわからんがかなり上空を飛んでいる筈だ。なのになんでこんなに海面が近いんだ、コレじゃいつか波にさらわれちまう』
『違う、高度は低くなったんじゃない、海面が上がっているんだ。その証拠にあの渦の中心を見ろ、ものすごい穴がぽっかり開いてそれでも底が見えない』
『なあ、リヴァイアサンは神が作った最強の生物なんだろ?ならこんなまどろっこしいことしなくても俺たちを倒せる筈だ』
『あいつは試しているんだ。例の箱だよ。あいつはこの穴に入って来いって言ってるんだ。箱があるとすれば海の底だろうからな。もし私らが一瞬でも躊躇したらその顎をあけて食
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