第3章 リーザス陥落
第55話 レッドの町の鬼門
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「何するのよっ! 私の可愛いチューリップに傷の一つでも着いたらどうするの? もう、ひどいんだから」
「相手は鉄だぞ? 拳くらいじゃ大丈夫だろ、っていうか、その程度で傷つく! って言ってて大丈夫か……? これから戦場に行くんだぞ」
「ま、まあ! そうだけど、これは丹精込めて作った私の兵器なんだからね!」
擦り寄るかのように、鉄の塊に引っ付くマリア。その姿を見たかなみは目を丸くさせていた。
「あー、駄目駄目。マリアにそんなツッコミをしても駄目よ、かなみ」
「あはは……まだちょっと慣れてないみたいで」
「ま、そりゃそうよね。マリアだし」
「ちょっと! 酷いわよ志津香っ!」
楽しそうに言い合っている3人がいて、そしてランスはと言うと。
「いてて、っておい! オレ様の手よりそっちの鉄の塊がって、こらっ! 無視するんじゃあない! おーいてて……」
「自業自得だ馬鹿」
「そりゃそうよね。普通の人は鉄殴ったりしないし。まあランスは普通じゃないか」
「随分朝っぱらから辛辣だな? 志津香」
「ん? 当然のことを言ったまでだけど」
「……喧嘩売ってんのか! それにオレ様は神の様に偉大な人物だから凡人のような単純な行動はしないのだ!」
ランスの言葉ははっきり言って無視、した志津香とユーリ。言うまでもなく、ランスは更に絡んでくるのだった。……途中でシィルにシフトチェンジした様だけど。
「さ、いつでも出撃出来るわよ!」
「がはは、遅いじゃないか、さっさと行くぞ」
「何言ってるのよ、ランスが一番遅かったからじゃない。皆待ちくたびれてたんだから」
かなみはいきり立っていた。
彼女の朝は早いから、殆ど一番乗りだったのだ。……夕べはヒトミと楽しく話をしてたから、寝るのが遅くなってしまってちょっと寝不足気味なのは秘密だ。
知ってるのは志津香とヒトミだけ。
当然だが、ヒトミは流石に戦場にいくのはダメと言う事でラジールでお留守番をする事になったのだ。3人は本当にこの短期間で仲良しになった様だ
「ふん! 司令官であるオレ様は余裕しゃくしゃくでゆっくりと起きて、ここに来るのが当然なのだ。マリア、さっさと全軍に指示を出せ。一気にたたきつぶすぞ! オレ様の軍隊は、ついに伝説の全戦全勝の記録を樹立する進撃を始めるのだった! がはは〜」
「何ナレーションしてんだ。馬鹿言わんでさっさと行くぞ」
ユーリは、ため息を吐きながら先へと向かう。当然ながら、ランスではなく殆どの皆がユーリについて行っちゃうから。
「おいコラぁぁ!! オレ様が司令官なのだぞ!!」
「ら、ランス様っ! わ、私はいますのでっ」
「当然だ、馬鹿者っ!」
「ひんひん……」
折角傍にいてくれたのに、シィルに八つ当たりをす
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