第3章 リーザス陥落
第55話 レッドの町の鬼門
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いうのだろうか?
「ぶっふ……、とは言え そろそろ攻性には入るぶー。抵抗軍などと言う小虫も這い回っている事だしぶー」
「動くのですか?」
食料が収まっていた皿が空になったから、だろうか? と思えるが兎も角、肉厚な手が宙を泳いでいる。未練がましく、塩と脂の付着した指を舐め取りつつ立ち上がった。
「ボウ、リョク。そろそろ行動開始だぶー」
隣の部屋で控えていた2人を呼び出すフレッチャー。
漸くこの豚も動くのだろうか、と思ったアイゼルだったが、恐らくは違う。弟子に全てをまるなげする事は目に見えていた。
「(盲目なのは美しくありません。……が、あんな醜悪な彼の元にでも、忠を尽くす、と言った部分では武人と言えなくもないですか)」
それなりの力量、あくまで人間の範囲内ではあるが、それなりに鍛えている2人に対しては、アイゼルもある一定、最低限度の評価はしているのだ。
2人の弟子に、なんと、更に唐揚げをオーダーしているフレッチャーを見て、再びため息を押し殺すアイゼル。
「(何はともあれ、始まりますね。漸く)」
人間同士の戦。多くの命がぶつかり、そしてその意思と共に、散華していく場。依然不利の中である解放軍や抵抗軍が何れ程の戦いを見せるものか、……美しいものを見せるのか。
それだけが、アイゼルの興味だった。
「(さぁ、しかと、見せていただきますよ)」
ひっそりと、唇を釣り上げ、この場から立ち去る。再び共食いとも言える様な光景で気分を害し内様に注意しながら……。
フレッチャーの余裕の姿。それは これが最後になるかもしれない……。と言うより最後にしたいと思えるアイゼルだった。
〜レッドの町 抵抗軍アジト〜
レッドの町並は嘗ての面影を根こそぎ奪いかねない程に破壊されていた。
倒壊した家屋、そして焼けただれ、家の基礎となる木材が顕になり、炭化して異臭を放っていた。
「ちっ……! これは 多勢に無勢だね。流石の私も、ここまでは、ね。一対多数はキツいものがあるよ」
倒壊して、ボロボロになり廃墟となっている家の中にある地下への扉の奥で息を潜めながらレッドの町を巡回しているヘルマン軍の連中を見て舌打ちをしている女性がいた。少しずつだが、敵を減らし、そして大きくしてきたのだ。この抵抗軍を。
「ふむ……確かに、な。幾らオレでもあの数は骨が折れるな」
「骨が折れるどころか、粉砕してしまうよ」
横で二刀を携えている男がそう呟いた所で、ツッコミを入れた。
「確かにあんたの腕は一流だって、思えるけど……今外にいる相手は、ゆうに100は超え
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