013話
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ーの表情、そして唇に重なった彼女の唇。繋がりあった互いの肌から伝わってくる互いの体温と鼓動。自然と腕が動いていき手を繋ぎ開いての体温と鼓動を貪欲に求めていく。暫しの間繋がったままの二人、そして唇が離れた時、互いの顔は赤く染まっていた。
「やっと……出来たね、キス」
「ああ……ド、ドキドキする物だな……(///)」
「嫌だった?」
「いや、こうしたかった」
再び軽く触れ合う程度のキスをする二人、身体を更に近寄らせる。
「本当は、君を戦いに参加させたくない。君が傷つく所は見たくない」
「それは私だって同じだよ、ジーくんが傷つく所なんて見たら私狂っちゃうよ」
「すまない。俺の我侭に付き合って貰って」
「ううん、約束だもん。気にしてないよ」
互いに互いの身の事を気にする、自分の身など如何なっても構わない。だがこの人が戦いで傷つくところは見たくないという感情は同じであった。
「でも私は戦わなきゃいけない………ある女を殺さなきゃいけない………」
「殺す………何か訳ありなんだな」
「……ごめんね、話す訳にはいかないんだよ……ジーくんでも言う訳にはいかないの」
「いや、俺も君に話していない事がある。おあいこだ」
女を殺す、それを言った時の彼女の瞳は少し悲しげだった。その正体が何なのか、自分には良く解らない。だが自分にも何かきっと出来る事はあるのだろう。
「ドロシー」
「えっ」
ドロシーの顔に手を当て自分の方に引き寄せそのまま唇を重ねる。
「俺は、君のそばにいる。必ず君の傍に居る」
「ジーくん……?うん、ありがとう………」
そのまま二人は身体を抱きしめあっていた。周囲には誰も居ない、二人だけの空間。今度こそ誰にも邪魔されずに居られる空間で互いの鼓動と体温を味わいながら時を楽しんだ。そんな二人を見ているのは、月だけ。
―――この時から二人は、正式に付き合う事にした。
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