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古城の狼
20部分:第二十章
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ったら銀でもないと」
 その銀を僕達は持っている。しかし。
「けれど私に傷を付けられなくては全く意味がありませんわね」
 その通りだった。狼の戦闘能力は人と比べて圧倒的に高い。普通の犬でも人はまともに太刀打ち出来ないのだ。それが狼となると。
 ましてや彼女は狼ですらない。魔界より来た魔性の人狼なのだ。
「ウフフフフフフフ」
 彼女はシャングリラから跳び降りてきた。
「まだ夜も長いですし」
 彼女はそう言って後ろに跳んだ。
「まだまだ楽しませてもらわないと」
 眼が光った。すると彼女の身体が左右にぶれ動いた。
「なっ・・・・・・」
 何と彼女が五人に増えた。そして僕達を取り囲んだ。
「これは一体・・・・・・」
 僕はそれを見て思わず呟いた。
「幻術です」
 神父はその中の一体を見ながら言った。
「ご安心下さい。彼女が増えたわけではありません」
 彼はそう言いながら剣を構えた。
「このうち四体は幻に過ぎません」
 それを聞いていささか安心した。
「しかし本物がどれか見極めないと」
「待っているのは死、ですね」
 僕は答えた。
「・・・・・・はい」
 神父はそれに答えた。五体の金狼が同時に襲いかかってきた。

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