Fate/stay night
1105話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
凛が守ってやる事が出来たかもしれないし、その後は魔術の件を口に出せないように出来たかもしれないのだから。
聖杯戦争の関係者だったり、サーヴァントのマスターであれば話は別だったかもしれないが……校舎の中に逃げていく足音を聞けば、相手が一般人だというのほぼ確実に思えた。
「ちっ、興が削がれた。今日のところはこの辺にしておくか。やるべき事も出来た事だしな」
そう告げ、槍を消してから後方へと跳び、こちらに何も言わせずに霊体化するランサー。
「……とんだ放課後になったな」
「確かにね。……それよりも、アークエネミー、ランサーと戦ってどう思った?」
俺の言葉に、後ろから近づいてきた凛がそう尋ねてくる。
「そうだな、さすがにランサーだけはあるってところか。純粋な身体能力ではステータスの関係もあって俺の方が上だけど、槍を使われると間合いを詰めるのが大変だ」
「あのまま戦っていれば、勝てたと思う?」
「恐らくはな。何だかんだと、終始こっちが押してたし。けど、対英雄のスキルがあったとしても、向こうは本気を出していないように思えた。どちらかというと、こっちの戦力の確認的な意味で。まぁ、結局途中で切り上げたんだから、どれくらい向こうが情報を得たのかは分からないけどな」
もし本気で戦うのなら、宝具の類を使っていただろう。
俺の宝具は未だに???と表記されて使用出来ない以上、もし宝具を使われていたら負けないまでもかなりのダメージを受けていたのは明らかだ。
「ふーん、じゃあ偵察に徹していたってのは本当なのね」
「ああ。ランサー自身は好戦的な性格のようだったから、多分マスターの命令なんだろうな。あそこでああもあっさりと退くとは思わなかったけど」
パンパン、と制服に付いている埃を落とす。
出来れば戦闘になる以上、ランサーが付けてた簡単な鎧とかが欲しいところだけど……いや、サーヴァント相手に鎧とかあっても無意味か。
そんな風に考えていると、不意に凛の動きが止まって視線を校舎の方へと向ける。
「しまった! ランサーが何であの状態から退いたのか、それを考えれば……っ!? アークエネミー、急いで校舎の中に行って、さっき逃げ出した人を保護して。多分ランサーがあっさりとこの場から消えたのは、あの人の口を封じる為よ!」
「魔術は秘匿されるものなんだろう? それなら、ランサーに任せた方が楽じゃないのか?」
「いいから、行って! 令呪で命令されたい!?」
これ見よがしに見せつけてくる令呪に、溜息を吐きながら頷く。
「分かったよ。じゃあ、ちょっと行ってくる」
その言葉と共に地面を蹴って校舎へと向かう。
生憎、俺は受肉している身だ。ランサーのように霊体化出来るんなら校舎の壁とかを無視して自由に移動出
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ