Fate/stay night
1105話
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のは余程に性格が合わないらしい。
触媒なしで召喚すれば自分と相性のいいサーヴァントが現れる筈だが……そう考えると、このランサーは触媒を用意されて召喚されたのかもしれないな。
まぁ、あのネックレスという触媒があって、その上で凛と相性のいい俺という存在を召喚出来たのは、凛にとっては色々と幸運だったんだろうが。
「そうだな、俺のマスターはその辺の有象無象と違うのは事実だ。羨ましかったら、こっちに来るか? お前みたいな奴なら歓迎するぜ?」
「はっ、それも面白そうだが、残念ながらマスターを裏切る訳にはいかねえな。忌々しい事に」
……一瞬だけ表情に浮かんだのは、間違いなく羨望。となると、何かマスターを裏切れない理由があるのか?
「何だか色々と複雑そうなバックボーンがありそうだな。けど、サーヴァント同士がこうやって遭遇したんだ。やるべき事は……」
「ああ、決まっている」
俺の言葉にニヤリと笑って言葉を返し、ランサーは手元で槍を回しながら俺の方へと獰猛な笑みを向ける。
「さっきはあの狭い場所だったから間合いの狭いそっちが有利だが、ここでなら俺の方が圧倒的に有利だ」
「ふんっ、場所だけの問題じゃないってのを教えてやるよ。戦場が広いんなら、寧ろこっちとしても動きやすいしな」
俺とランサーから離れた位置に凛が到着したのをパス越しに感じる。
後方からの援護もある以上、こちらとしては本気で攻撃を行わせて貰う!
「行くぞ、俺の槍の冴えをその身で味わえ!」
短く叫ぶや否や、ランサーは瞬時に間合いを詰めるべく地面を蹴ってこちらへと向かってきた。
その敏捷さは、確かにランサーの英霊だけあって素早い。
敏捷さがAだというのも納得の速度。
だが……
「速度で俺に敵うと思うなよ!」
こちらもまた前へと進み出る。
屋上とは違い、戦場となった広さを十分に使えるのは俺もまた同じ。
そもそも、純粋な敏捷さではランサーよりも俺の方が上だし、更には対英霊のスキルも持っている。
こちらに向かって放たれる槍。
その穂先は、まさに一瞬の煌めきを残して俺へと解き放たれる。
顔面、首、胴体、手足。
ほんの一瞬のやり取りにも関わらず、槍の穂先が俺に向かって放たれたのは数十に近い回数。
その全てを回避し、あるいは腕で柄の部分を弾きながら間合いを詰めて行く。
ちっ、純粋な速度では俺の方が上だが、槍の間合いが厄介だな。
ランサーの、グラウンドの広さを十分に使うという言葉は決して口だけのものではなく、俺が間合いを詰めようとすると地面を蹴って間合いを開ける。
確かに速度ではこっちが上だが、それでも圧倒的って程じゃない。
そしてランサーも英霊らしく戦闘に関しては十分以上に経験があるのだろう。
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