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俺と乞食とその他諸々の日常
三十五話:目覚めと日常
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きた涙を見ないふりしてなのはさんからの謝罪を受け取る。
 その時のなのはさんの慣れた様子から俺以外にも被害者が居る可能性を悟り戦慄したのはまた別の話だ。

「とにかく、ミウラさんはしっかりと休んでください」
「でも……次の試合もその次の試合もボクは負けられませんから」

 強い決意に満ちた言葉にその場にいた者達全員が彼女の覚悟を知る。
 まあ、だからといって無茶をさせるわけにはいかないんだがな。
 子供は無茶をするのが仕事でそれを止めるのが大人の仕事だ。

「そんなミウラちゃんに素敵なプレゼントだ」
「へ? プレゼントですか」

 ポカンとするミウラちゃんをよそに端末を操作してメールを送る。
 送り先は勿論ミウラちゃんだ。さあ、俺の心遣いに泣いて喜ぶといい。

「こ、これは―――参考集ですか?」
「その通り。これを解いていれば体を休ませられ、おまけに学力もアップする。まさに一石二鳥!」
「け、結構です! 休みます、ちゃんと休みますから!」
「返品は基本的に受け付けておりません。申し訳ございません」
「満面の笑みで言う言葉やないで、それ」

 参考集をあげるといい感じにワタワタとし始めたミウラちゃんを見ながらニヤリと笑う。
 はやてさんも口ではツッコんでいるが笑っているので楽しんでいるようだ。

「まあ、今解くのは冗談だ」
「よ、よかった〜。……あれ、今?」
「さっき言っただろ。返品は受け付けていないって。折角なんだから解いてみたらどうだ」
「そうやでー。折角の貰いもんや。次のテストにでも役立てたらええって」

 また勉強かと微妙な顔をするミウラちゃんの頭をポンポンと叩いてから席を立つ。
 今日は俺もジークと一緒に帰るとしよう。
 と、その前にやらないといけないことがあったな。

「アインハルトちゃん。これをユミナちゃんに渡しておいてくれないか」
「チャンピオンと……みなさんのサインですね。サービスですか?」
「まあな。折角他にも居るんだからちょうどいいだろう」
「ありがとうございます。きっとユミナさんも喜びます」
「そうだといいな。じゃあ、俺はこれで帰るな」

 やることを終わらせたのでそのままジークと連れ立って家に帰る。
 帰り道は今日の出来事や最近あった出来事を話しながら帰る。
 そしてイクスヴェリア様の話に及んだ時だった。

「それにしてもあんなにかわええイクス様が邪知暴虐の王なんて言われとるのが信じられんわー」
「……まあ、名前の似ているどっかの馬鹿と間違えられたんじゃないのか」
「どっかの馬鹿?」
「……気にするな。ただの言葉のあやだ。それより今度いつ出かける?」

 適当にごまかして話題を別のものにすり替える。
 まさか、その馬鹿が自分と関係のある
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