3話
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ー、弓兵で通しているはずなのだが…
「ふむ、何故君が私の名を知っているのかはわからないが、確かに私は柊 白夜だ。」
「そうですか…なら…」
恐らく、「死んでもらいます」といった言葉が続くと思っていた私に襲い掛かってきたのは、予想外の出来事だった。
くぅ〜という音が彼女のお腹から聞こえてきてしまったのだ。彼女も自分が続けようとしたことと違い驚いたのか、顔を赤くして俯いて硬直してしまった。
「あ〜、その…だな、とりあえず、たい焼きでもいかがかね?」
「…いただきます」
一つだけ記しておこう。空腹は一番の敵といえるだろう。ちなみに彼女がたい焼きを食べている間、私達は何も見ていなかった。彼女は空腹で腹の虫の声が聞こえたなんてことはなかった。あれはきっと他の通行人のものだ。彼女からではなかった。いいな?諸君。君たちは何も聞いてはいなかった。決して後で「お腹空いてたんだ」なんて言ってはだめだぞ?
そして仕切り直しだ。
「地球の食べ物は変わってますね…」
彼女がつぶやいた言葉にリトが反応した。
「そりゃ〜地球の食べ物は…地球?」
「あなたが結城リト…」
これから起こることが瞬時に理解できた私は、リトに向かって叫ぶ。
「彼女から離れろ!リト!」
次の瞬間、手がクローのような武器になった彼女の攻撃が繰り出されたが、リトも本能的に危険と感じ取ったのか、その攻撃を回避した。
「ある方からあなたの抹殺の依頼を受けました。あなたに恨みはありませんが、死んでもらいます。」
彼女が手を剣に変え、彼を殺そうとした瞬間、横やりが入った。
「させると思うかね?」
私は干将・莫邪を投影し、彼女の攻撃を防いだ。
「リト!彼女の相手は私がしよう。君はなんとかして、ララに連絡をとってくれ!」
「だ、だけど!それじゃあハクが…!」
「何、どうということない。この身にただに一度の敗走はなく、護る戦いには慣れていてね。少なくとも、ララやザスティンが来るまではもちこたえて見せよう。」
「…わ、わかった!」
そういったリトは走って行ったが…
「…待ってくれるとは思わなかったよ。それに彼を追わないのかね?」
「…その剣…もしかして貴方は…あの時の…」
彼女は何かを考えているようだ。もしや私の正体に気づいたか?と思ったが彼女は自分に言い聞かせるようにかぶりを振ると、そんなはずはないと口にした。
「いえ、彼を追ってもあなたをどうにかしない限り殺せないと思いましたので…」
賢明な判断だ。もし追っていれば背後から攻撃する予定だったのでな。と口にはせず彼女の行動を気に掛ける。
といっても私はティアーユからの依頼により、
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