17部分:第十七章
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の者でした」
彼はその声を暗いものにした。
「彼女は私を愛してくれてもその心はやはり魔性であったのです」
「やはり・・・・・・」
神父はそれを聞いて呟いた。
「彼の者達の心は我々とは違います。それ故に魔物なのですから」
僕はその言葉に心の中で頷いた。人間とはその心で人間であるのだ。姿形はどうあれその心が魔界にある者は魔物であると思う。
そう考えるようになったのは皮肉にも人の歴史を学んでからであった。フランスで美少年を殺戮した狂気の同性愛者青髭ジル=ド=レイ。鉄の処女というおぞましい機械で少女の血を絞り取りその血の風呂に身体を浸し永遠の美を望んだ血塗れの伯爵夫人エリザベート=バートリー。罪無き者を魔女に仕立て上げその全てを奪ったうえで惨たらしく殺していった悪辣な異端審問官達。彼等の心は人のものではなかった。魔物のものであった。
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