16部分:第十六章
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腕が僕の首にかかった。凄まじい力で締めてくる。
「糞っ」
このままでは殺られる、そう直感した。手にする短剣を振るった。
「グッ」
短剣が執事の腕を切った。すると瘴気を出して溶けた。彼は溶けた手を押さえて怯む。
「どうやら銀に弱いというのは本当だな」
僕はそれを見て言った。
「だから言ったでしょう。魔物は銀に弱いと」
背中合わせに神父が言った。彼は背中に背負っていた銀の剣を抜いていた。
彼は剣を振るった。そしてクグツ達を次々に倒していく。
僕は執事を相手にしていた。彼はその力を頼んで僕に襲い掛かって来る。
「だがっ」
僕は短剣でその腕を切った。すると腕が落ちた。
腕を落とされた執事は怯んだ。僕はそこで前に出た。
「それっ」
僕は短剣を心臓に突き刺した。それを受けた執事は溶けていった。
「これで終わりか」
執事を倒した僕は廊下を見回しながら言った。
「はい。まだ残っていますか?」
神父は廊下に転がる屍を見下ろしながら僕に問うた。
「そうですね・・・・・・」
元々この城には人はあまりいない。使用人は執事の他はメイドも数人程しかいなかった。
「後はこの城の主人だけですね」
あの生気の無い主人だ。彼もおそらくクグツなのだろう。
「そうですか。そして彼は何処に?」
「それは・・・・・・」
「私はここです」
不意に後ろから声がした。
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