012話
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声に反応するようにバキュアはドロシーへと飛び掛っていく、だがドロシーは動じず魔力を使いARMを覚醒させた。
「―――おいで、ウロロン」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに後ろの空間がひび割れる、そしてそこから尋常ではない魔力が放出されていく。バキュアはその魔力に驚いたのか引き返そうとするが時既に遅し。吸い込まれるように空間の裂け目へと飲まれていくバキュア、そして吸い込まれた先の空間からは何かを貪るかのような不気味な音が響いていた。
暫しして音は収まり空間の裂け目から一体のガーディアンが姿を現した。漆黒の鱗に紫の体毛、血に満ちているかのような赤い瞳を持ったブリキンに匹敵するほど巨大な竜のガーディアン。古い古文書にしかその存在が描かれていないレア中のレアARMの一つ、"ウロボロス"であった。そしてその口にはアクセサリーに戻ったバキュアの姿があった。それを手に取りドロシーはウロボロスをなでる。
「いい子ねウロロン、レアARMゲット。トトでも良かったけどあいつじゃ食べちゃうかもしれないからね」
『ご期待に添えたなら何よりだ主よ』
「な、なぁんなんだそのガーディアンはぁああああ!!?!?」
巨大すぎる上に溢れている魔力と威圧感が異常なガーディアンに腰を抜かしてしまうマイラ、そんな哀れな姿を見せたマイラをドロシーは嘲笑った。
「ガーディアンARM ウロボロス。お気に入りの子だよ、私に酷く忠実でね、但しちょっと手加減が苦手だけどね。いいよウロロン、食べても」
『願ってもない、丁度腹が減っているところだ』
ウロロンはのそりのそりと巨大な足を動かしながらマイラへと近づいていく、あまりの巨大さと威圧感があいまって生まれる迫力に動けなくなってしまうマイラはそのまま硬直したままだった。そして遂に目の前にまでやってきたウロロンに前足で潰されてからそのまま上へと放り上げられそのまま咀嚼された。
骨を砕き、肉を噛み千切り、血を啜る音が周囲に木霊する。思わず顔を背けそこまでしなくてもとつぶやくスノウ。確かにそうかもしれないがそれは甘いとナナシが言う。これは戦争だ、明日は自分が死ぬかもしれない。そう、彼女は自分たちに言っているようにナナシは思えた。
「おっそろしい女やで……ドロシーちゃんは」
「あらあら、チェス初めての死人になっちゃったわねぇ〜。んでウロロンお味はいかが?」
『………バキュア同様ドロドロして不味いな、口直しは無いのか主よ』
「う〜ん、今度用意してあげるから我慢してくれる?」
『承知した、では我は眠る。また必要な時に起こしてくれ主よ』
そう言いながらアクセサリーに戻りドロシーの手元へと自ら動くウロロン、そんなARMを異空間にしまいながら審判であるポズンへと目配せした。
「セカンドバトルオ
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