Fate/stay night
1104話
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「甘いぞ!」
頭部へと迫ってくる石突きを、右手を伸ばして掴み、押さえる。
そのまま相手の懐の中にいる状況を活かし、左手でランサーの胴体を狙って拳を放つ!
ゴゥンッという音。
少なくても肉を殴った感触ではない事にランサーの方へと視線を向けると、そこでは俺が殴った槍を盾にしたランサーが、左手で押さえている石突きを起点としてくるりと場所を変える。
そう、俺の後ろへと。
「痛ぅっ! くそっ、お前さんどんな力をしてやがる。槍越しだっていうのに、衝撃が思い切り伝わってきたぞ」
痛い痛いと告げるランサーだが、その口元に浮かんでいるのは面白がっている笑み。
とてもではないが、言葉程に効いているようには思えない。
そんなランサーに向け、笑みを浮かべながら口を開く。
「距離を取ってもいいのか? こっちは俺だけじゃないんだぜ?」
その言葉と共に、離れた場所にいた凛の手に握られていた宝石から衝撃波のようなものが放たれる。
これで決まる事はないにしろ、何らかのダメージは与えられる筈……と思ったのだが、放たれた衝撃波はランサーに当たるかと思った瞬間に霧散する。
「対魔力持ち!?」
「ま、そーいうこった。俺にはそんじょそこらの魔術は効果がないぜ」
「ちっ、羨ましい事だ」
こっちは魔力は生み出せるものの、対魔力はないってのに。
聖杯戦争に参加する以上、対魔力の類の能力は持っておきたい。
???と表示されているスキルに賭けるしかないだろうな。
「へっ、良く言う。俺の攻撃を尽く回避して、更には槍の穂先を掴むなんて化け物染みた真似をしやがった癖に。……本当にお前、どこの英霊だよ? 武器も使わねえし」
「さてな。わざわざ敵に自分の情報を教えると思っているのか? ……そうだな、お前の情報を俺に教えてくれたら、俺も少し本気出してやるよ」
「はっ、愉快な事を言いやがる。俺を相手にして、手を抜いてたってのかよ?」
「それは、お前が一番良く知っているんじゃないのか?」
お互いに向き合い……再び屋上の床を蹴り、間合いを詰める。
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