13部分:第十三章
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ついて考えた。そうしているうちに月が消え太陽が姿を現わしてきた。
「寝そびれたな」
白くなっていく空とその光を見せはじめた太陽を見て呟いた。仕方なくほんの少しまどろむことにした。
「それでも少しは寝ておきたいな」
そしてベッドに入り少し眠った。
一時間程しただろうか。部屋の扉をノックする音がした。
「はい」
僕はベッドから出て扉を開けた。
「お食事の時間です」
執事だった。僕は彼に導かれ食堂へ向かった。
「お早うございます」
見れば主人も奥方も僕を笑顔で迎えてくれる。こうして見ると先程の正門から聞こえた話が夢だったように思える。
「はい、お早うございます」
僕はそれに応えた。そして席に着いた。
「今日は何処へ行かれるおつもりですか?」
奥方は早速尋ねてきた。
「わかりませんね」
僕ははにかんだ顔を作って答えた。
「あら、そうですの」
奥方は素っ気無く言った。だがその表情に微かに見えるものがあった。
それは舌打ちであった。整った美しい顔がその時一瞬だけ変わった。
醜くおぞましい顔であった。それはまるで血に餓えた獣のようであった。
「・・・・・・・・・」
僕はそれを無言で見ていた。だが気付かれるのを怖れて主人の方へ顔を向けた。
見れば主人は黙々と食事を採っている。その動きはやはり何処か無機質であった。
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